プロフィール

maribu

Author:maribu
FC2ブログへようこそ!

FC2カウンター

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-

Comment

Comment Form

Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
-

Trackback

Trackback URL

88

フレデリック・フォーサイスの原点「ジャッカルの日」

日本でも人気の作家、フレデリック・フォーサイス。
90年代の後半には多くのファンがいたが、最近は少し下火だろうか。1996年に絶筆宣言をしたときに来日した際には多くの人がサイン会に殺到した記憶がある。

しかし、やはりフォーサイスは面白い。

これからフォーサイスを読んでみたいと思っている人も多いだろう。

ここで、フォーサイスの第一作目「ジャッカルの日」について改めて紹介してみよう。
フォーサイスを読み始めるなら、この一冊は絶対に外せないし、満足することも間違いなしだ。

ジャッカルの日 (角川文庫)ジャッカルの日 (角川文庫)
(1979/06)
フレデリック・フォーサイス

商品詳細を見る


フォーサイス作品の醍醐味はなんといってもそのリアリティにある。
フォーサイスはもともとジャーナリストで、フランスにもロイター通信の特派員として滞在していたことがある。そのときの経験がもとになって「ジャッカルの日」は執筆されている。


「ジャッカルの日」はフランスのド・ゴール首相暗殺計画をめぐる、殺し屋とそれを追う刑事の姿を描いた作品だ。しかし、物語の前半は実話に基づいている。

そもそも、この物語はアルジェリア戦争の混乱の中で生まれたフランスのテロ組織OASが、戦争の混乱の責任追求と復讐のためにフランス首相、ド・ゴールの暗殺を企てることから始まる。
このテロ組織OASは実在していたテロ組織であり、実際にド・ゴールの暗殺を試みている。この暗殺未遂は失敗に終わり、首謀者の一人、ジャン・バスチアン・チリーが銃殺刑に処せられている。

「ジャッカルの日」はこの実際にあった事件をバックグラウンドとして進行する。

OASの幹部たちは内部からの情報のリークが暗殺計画失敗の一因と考えて、外部のプロの殺し屋を雇うことを決意する。そしてその殺し屋のコードネームが「ジャッカル」というわけだ。

このジャッカルがド・ゴール暗殺のために着々と準備していく様子、そして名前も国籍もまったくわからない殺し屋を丁寧な捜査でしらみつぶしに調べていく警察側の姿が迫真のリアリティで描かれていく。

この両者の展開が知恵比べのようで知的興奮をそそり、実に面白い。

実際に歴史においてはド・ゴールは暗殺されていないわけで、その意味においてジャッカルが暗殺に成功しないことはわかっている。しかし、フォーサイスはこの点についてBBCラジオのインタビューにおいて「失敗することは読者は百も承知だ。だから、どこまで成功に近づけるかを描こうと思った」と答えている。

フォーサイスは詳細を語るのは避けているが、犯罪ギリギリの仕事をしている人に実際に取材して、ド・ゴール暗殺のためのさまざまな手法を生み出したようだ。

そのリアリティは発表から30年以上が経過した今もまったく色あせない。
フォーサイスの生み出した手法は実際の社会でも使われて(悪用)されているのだ。

たとえば、1995年にイスラエルのラビン首相とPLOのアラファト議長の間で歴史的和平会談が始められたことがあった。しかし、ラビン首相のこの試みはイスラエルの右派によって非難され、ついにはラビン首相暗殺という最悪の結末を迎えた。そしてこのとき、暗殺犯の家から発見されたのがフォーサイスの「ジャッカルの日」だった。暗殺犯は本の中で殺し屋のジャッカルが用いた手法を参考にしていたのだ。

そして2007年、イギリスで5年にわたって水難事故で死んだと思われていた男がひょっこりと姿を現した。この男は「失踪したいた5年間の記憶がない」と当初は訴えていたが、実は他人のIDを手に入れて行方をくらまし、保険金を手に入れていたことが発覚した。つまり、すべては計画犯罪だったわけだ。
実はこの犯人が他人名義のパスポートを入手し、IDを偽造した手法は「ジャッカルの日」の手法をそのまま用いたやり方だった。フォーサイスが30年前に指摘した、戸籍管理の盲点を突いてきたわけだ。

小説を書くときはここまでリアリティにこだわらなければいけないのだな、と本当に驚かされる。

いや、ここまでこだわっているからこそ、面白いし、人気が高いのだろう。

ちなみにこの作品、映画化もされている。

ジャッカルの日 【ベスト・ライブラリー 1500円:アクション映画特集】 [DVD]ジャッカルの日 【ベスト・ライブラリー 1500円:アクション映画特集】 [DVD]
(2011/04/27)
エドワード・フォックス、アラン・バデル 他

商品詳細を見る


かなり原作に忠実で必見だが、原作を読んでから鑑賞することをオススメする。というのも、この作品は最後にちょっとしたどんでん返しがあるのだが、小説だと不思議な余韻を残すのだが、映像で見るとちょっと拍子抜けな印象を受けるからだ。

ちなみにフォーサイスによると、「ジャッカルの日」の映画化のオファーは本が出版される前にあったそうだ。20000ポンドで原作買い取りの契約で、映画のヒットに伴う収益はなかったそうだ。
ちなみに小松左京原作の「日本沈没」も出版前に映画化権は東宝が確保しており、原作買い取りだったそうだ。
日本沈没 上    小学館文庫 こ 11-1日本沈没 上 小学館文庫 こ 11-1
(2005/12/06)
小松 左京

商品詳細を見る



小松左京自伝―実存を求めて小松左京自伝―実存を求めて
(2008/02)
小松 左京

商品詳細を見る


SF魂 (新潮新書)SF魂 (新潮新書)
(2006/07/14)
小松 左京

商品詳細を見る

(「日本沈没」映画化の経緯はこの二冊に詳しい記述がある)

いずれにせよ、いいサスペンス小説を読みたい人、これから作家を目指している人に、フォーサイスは必読だ。

もう一個、ついでに。

この「ジャッカルの日」は1997年にもう一度映画化されている。題名は「ジャッカル」。ブルース・ウィリス、リチャード・ギア、シドニー・ポアチエが出演した豪華作品だ。

ジャッカル デラックス版 [DVD]ジャッカル デラックス版 [DVD]
(2004/06/25)
ブルース・ウィリス、マイケル・ケイトン・ジョーンズ 他

商品詳細を見る


ただし、この作品は設定がだいぶ異なっておりフォーサイスは正式に「原作者」として名前を外すことを要求した。したがって、「映画『ジャッカルの日』の脚本に基づく」というわけにわからないテロップが入る。

これはこれで面白いので、一度は見ることをオススメする。


小松左京原作・総監督の「さよならジュピター」にもとてつもないメッセージがこめられていた!

原作・総監督の小松左京にロングインタビューを敢行し、「さよならジュピター」のすべてを読み解いた「さよならジュピターをつくったわけ」(全14巻/現在7巻まで発売・以後続刊)好評発売中!

現在。第一巻を無料ダウンロード提供中!
slide 1

こちらはCM画像です


お求めはこちらから。

当社は日本最大のデジタルコンテンツ発売のDLマーケットを通じて電子書籍の販売を行っています。
ご安心してお買い物ください。







スポンサーサイト
  • Date : 2011-06-07 (Tue)
  • Category : 書籍
0

Comment

Comment Form

Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
0

Trackback

Trackback URL

検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
Return to Pagetop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。