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「宮廷画家ゴヤは見た」

「宮廷画家ゴヤは見た」は「アマデウス」で知られるミロス・フォアマン監督が2006年に発表した作品だ。

ロココ時代、ロマン主義の異端児であるスペインの18世紀の画家、フランシスコ・ゴヤの目を通してひとりの少女の悲劇が語られていく。

ナポレオンのスペイン侵攻の中で、芸術を通して反戦を訴えたゴヤの絵画史への貢献は大きい。ピカソの有名な「ゲルニカ」もゴヤの影響を強く受けているといわれている。
絵画史に大きな功績を残したゴヤの生涯をフィクションも交えてエンターテイメント作品として見られるこの作品は、まさに「必見」の映画だろう。

しかし、この作品の評価は必ずしも高くはないようだ。
個人的には、フォアマン監督の代表作「アマデウス」に匹敵する作品だと思うのだが・・・・。

今回はこの作品にスポットを当ててみたい。

宮廷画家ゴヤは見た [DVD]宮廷画家ゴヤは見た [DVD]
(2009/04/22)
ハビエル・バルデム、ナタリー・ポートマン 他

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「宮廷画家ゴヤは見た」に対する批評を見ると、出演しているナタリー・ポートマンとハビエル・バルデムの二人の演技、そして作品の美術は高く評価されている。
ポートマンは今年度に「ブラック・スワン」で、バルデムも「ノーカントリー」でアカデミー賞を受賞しており、そういった意味ではこの作品は二大俳優の夢の共演となっている。

一方、物語に関する評価が一様に厳しい。

その最大の理由は題名にもある画家のゴヤがあくまでも「傍観者」の立場をとって、物語にかかわってこないことによることのようだ。つまり、ゴヤが登場する必然性がない、というわけだ。


確かにこれらの評価はそのとおりだと思う。しかし、私はもしかして、この作品はゴヤを敢えて「傍観者」と描くことにその意図があったのではないかな、と思ってしまう(もちろん間違っているかもしれないが・・・)。そう見ると、この作品は別の意味での輝きを放ってくる。


この作品を解読するためにはゴヤの銅版画を考察に入れる必要がある。
ゴヤは油彩の絵だけでなく版画に多くの傑作を残している。油彩は肖像画なども多く含まれるのに対し、版画のシリーズはより私的な訴えを秘めているものが多い。

趣味の闘牛観戦の様子を描いたのも銅版画だ。そして、ゴヤの版画シリーズの圧巻はなんといっても社会風刺をこめた、ときにグロテスクな作品群だ。この代表作には「ロス・カプリチョス」が挙げられる。

ゴヤ ロス・カプリチョス―寓意に満ちた幻想版画の世界 国立西洋美術館所蔵 (Art&Words)ゴヤ ロス・カプリチョス―寓意に満ちた幻想版画の世界 国立西洋美術館所蔵 (Art&Words)
(2001/02)
雪山 行二、フランシスコ ゴヤ 他

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<ゴヤを知るためにも是非、オススメしたい一冊>

なぜ、私がこのゴヤの銅版画にこだわるか、というと、この映画ではこれらのゴヤの銅版画に基づくイメージが度々、意図的に登場しており、監督が意識して、これらの表現を挿入したのではないか、と思うからだ。

たとえば、この版画を見れば、映画をすでに見た人はどのシーンだかすぐにわかるだろう。
g7


そして、この作品を理解するために重要なのは、題名だと思う。
「宮廷画家ゴヤは見た」というのは日本語題名でオリジナルの題名は「Goya's Ghosts(ゴヤの幽霊たち)」だ。

「幽霊」とはいったい誰を指すのか?
ゴヤの作品群の中から「Ghost」のつくものを探してみた。
そして出てきたのがこの絵だ。goya 2
題名は「Ghost of an old man wandering among phantoms(ファントムのまわりを彷徨う老人の幽霊)」

この作品の題名の「幽霊」は単数形なので映画の題名とは一致しない。したがって、この絵は関係ないのかもしれない。この絵(版画)はゴヤが老年期に描いた未完の作品群「Los Disparates」の中の一枚だ。その意味についてははっきりしないという。

しかし、もしこの老人の幽霊が「ゴヤ」本人だったとしたらどうだろうか?
この映画の違った側面が見えてくる気がする。幽霊とはゴヤであり、ファントム(怪人、妖怪)とは欲に取り付かれたキリスト教の宗教者たち、修道士をやめてフランス軍に同調する場当たり的なロレンゾ(バルデム)や、ロレンゾの子をはらみ狂気に陥るイネス(ポートマン)たちのことなのかもしれない。

そして、「幽霊」であるゴヤは、その滑稽なファントムたちに「幽霊」であるために直接手を下すことができずに「傍観者」となってしまう・・・・。

「戦争」という大きな時代のうねりの中で生まれる悲劇、惨劇、滑稽な欲のぶつかりあい、それはさながら、妖怪や化け物(ファントム)たちの行動のように見える。そして、芸術家は、幽霊のように、それらの悲劇的行動に直接手を下すことはできず、傍観者になり「芸術」を通してでしか、主張することができない。その様子をフォアマン監督は描きたかったのではないか?

と、そんな深読みをしてしまった作品だ。

いずれにせよ、絶対にオススメの一作だ。


作品にこめられたメッセージを読み解くのは非常にリッチかつ知的な映画の楽しみ方だ。

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  • Date : 2011-06-02 (Thu)
  • Category : 未分類
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