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インドにおけるマラリア感染の拡大

先週末に医学誌「ランセット」に発表された論文によるとインドにおいてマラリア感染による死亡者数が増加しているそうだ。
世界にはこういった感染症によって命を落とす人々がたくさんおり、早急に改善されなければならない。
そのためにも世界に「マラリア感染」の問題を知らせることは大事なことだ。しかし、そのために事実がおろそかにされてはならない。
今回発表された論文で問題になっているのは、マラリア感染による年間死亡者数だ。少なく見積もって12万5000人、多く見積もって27万7000人にも及んでいるとされている。これはWHOによる調査の死亡者数(年間3万人)を大きく上回る。
どうしてこのような違いが出てしまったのだろうか。

それはこの論文の執筆者たちの採用した調査方法によると思われる。今回の調査に用いられた方法は「Verbal Autopsy」と呼ばれる方法だった。「Autopsy=(剖検)」という言葉が用いられているが、遺体の解剖などは一切行われていない。これは要するに「聞き取り調査」だ。現地の医師たちが亡くなった患者さんの家族に聞き取り調査を行い、その聞き取りの内容から故人がマラリアであったか否かを判断して報告するという方法だ。
論文の当事者たちは現地の医師たちに聞き取り調査の際に質問する項目など厳密なガイドラインを与えて行ったから問題ないとしているが、やはりどうしても聞き取りをした医師たちの主観が入ってしまう余地のある「グレーゾーン」の残る研究方法だということは否めない。つまり、現地の医師たちが「マラリア感染による死亡」と診断したとしても別の病気だった可能性も残っているわけだ。

もちろん死者の数が3万人だろうが27万人だろうが一刻も早くこの状況が改善されなければいけないことに間違いはない。ただこういう場合、厳密な調査を行い「事実」を報告することにこだわらないと後でツケを払うことになってしまうので注意しなければいけない。

過去にもそういった事例はいくらでもあった。
たとえば千円札の肖像になっている野口英世。
野口英世は、実際にはウィルスが引き起こす疾患である黄熱病の「病原菌を発見した」と報告してしまった。もちろん、これは誤りで、現代の医師や研究者が野口の業績を攻撃する上での格好の材料になっている。しかし、これにも無理からぬ事情があった。
野口は実験室だけでなく実際にフィールド(黄熱病感染者の発生している地域)に出向いて研究するタイプの研究者だった。実際に現地に赴き、現地の医師たちから「黄熱病患者から採取した」とされる血液サンプルを提供されて研究していた。しかし、現地の医師たちが「黄熱病」と診断していたのは実は黄熱病と非常に似た症状を呈する「ワイル氏病」の患者であった。ワイル氏病は病原菌が引き起こす病気だ。事実、野口が「黄熱病の原因菌」と発表した細菌はワイル氏病のものであったことが今ではわかっている。
現地の医師の不正確な情報が誤った研究結果を誘導してしまったのだ。

不正確な報告は歴史をも狂わせることがある。
太平洋戦争の最中、1944年10月に行われた台湾沖航空戦はそのいい例だ。
これは日本海軍の航空部隊が台湾沖でアメリカ海軍空母機動部隊に攻撃を加えた作戦だ。この作戦では、攻撃を実際に行ったパイロットたちが行う戦果の報告が吟味されることなくそのまま大本営に報告された。その結果、大本営は「アメリカ海軍第三艦隊をほぼ壊滅させた」と判断し、その戦果を大々的に発表した。しかし、実際にはアメリカ艦隊はほぼ無傷で、日本側のほうが300機以上の航空機を失う大敗北だったのだ。
この大本営の誤報を信じた日本陸軍はレイテ島での連合軍迎撃作戦を決定し準備に入った。しかし兵力をレイテ島に輸送している際に連合軍の攻撃を受け主力戦力を失った。この失われた戦力を台湾と沖縄にいた部隊で補ったため、結果として翌1945年3月の米軍の沖縄侵攻作戦における日本軍の兵力不足につながった。
吟味されなかった不正確な情報がどれほどの尊い命を失わせてしまったことか。平和な現代に生きるわれわれとしてはただひたすら冥福を祈るしかない。

「真実」を追究することはとても大事なのだ。



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  • Date : 2010-10-27 (Wed)
  • Category : 科学
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