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シリーズ・日本映画の海外公開版を考える2・「宇宙からのメッセージ」



第二弾は「宇宙からのメッセージ」で!


一九七七年にジョージ・ルーカスの「スター・ウォーズ」が公開されると世界中でSFブームが巻き起こった。



そのブームを受けて、世界各国で「スター・ウォーズ」に類似した作品が次々と製作された。

本国のアメリカでは「宇宙空母ギャラクティカ」や「宇宙の7人」が製作され、イタリアでも「スター・クラッシュ」や「ヒューマノイド」といた作品が製作された。日本もその例外ではなかった。







日本では「スター・ウォーズ」の公開がアメリカより一年遅れて一九七八年になった。
そこで、「スター・ウォーズ」に類似した作品をつくり、「スター・ウォーズ」の日本公開前に封切ってしまおうと二本の映画がこの一年間で製作された。
一本は東宝の「惑星大戦争」(監督・福田純)、もう一本は東映の「宇宙からのメッセージ」(監督・深作欣二)である。





特撮映画は東宝の十八番だが、このとき製作された「惑星大戦争」はお世辞にも出来がいいとはいえない。

タイトルからして「スター・ウォーズ」をそのまま日本語に直訳して「惑星大戦争」になっている。

内容も先端にドリルのついた奇妙な宇宙戦艦(「海底軍艦」の轟天をそのまま「宇宙戦艦ヤマト」のごとく宇宙にもっていった)が宇宙人のローマ船に似た宇宙戦艦と対決する、といった有様で「スター・ウォーズ」とは比べようもない。

本当に「スター・ウォーズ」に影響されて作られた作品なのか首をかしげたくなる。特撮も全編ピアノ線が丸見えだったりする。


「惑星大戦争」はアメリカでは劇場公開されていないが「The War in Space」のタイトルでテレビ放送されたようである。ほとんど注目されることはなかったがフィル・ハーディー著の「The Film Encyclopedia : Science Fiction」に若干の記載がある。そこには「福田監督の努力にもかかわらず作品は見劣りがする。娯楽性はあるが、ジョージ・ルーカスの模倣にすぎない」と記されているのみである。


一方、「宇宙からのメッセージ」は「惑星大戦争」とは対照的に完成度は高い。滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」を下敷きにして 「仁義なき戦い」の深作監督によって宇宙版ヤクザ映画と言った感じの映画になっている。
俳優陣もテレビシリーズ「コンバット」のサンダース軍曹役で有名なハリウッドスター、ビック・モローを起用している。

(ビック・モロー)

さらに時代劇の「時代考証」に相当する「SF考証」なるものがSF作家の野田昌宏によって行われており、斬新な試みといえる。

(野田氏のノベライゼーションは映画と全然違っていて傑作だ!)

特撮に関しても、大部分がピアノ線による操演だが、部分的に当時最先端のシュノーケルカメラやECGビデオ合成システムが使われるなど、特撮映画をあまり得意としない東映にしては信じられないくらいの奮闘ぶりである。

しかし、残念ながら作品としては「スター・ウォーズ」に比べると見劣りしてしまう。SF映画はある程度奇想天外であっても許されると思うが、この作品ではあまりにも無茶な設定や展開が多すぎた。主人公たちが宇宙遊泳をするシーンなど、なんと宇宙服なしで宇宙空間に飛び出し、手足をバタバタさせて文字通り泳いでいる。このシーンのためにSF考証を担当した野田昌宏は日本SF作家協会を除名されそうになったとか(冗談であろうが・・・)。



この「宇宙からのメッセージ」は「Message from Space」のタイトルで一九七八年の十月に全米公開された。配給元は大手のユナイテッド・アーティスト社である。再編集は行われず、日本語のセリフを英語に吹き替えただけで公開された。



特筆すべきことは、この作品がアメリカだけでなんと五十万ドルもの興行成績をあげたことである。これは同様に全米公開された黒澤明監督の傑作「影武者」をはるかに上回っている。


当時のアメリカの映画評をみると、「『スター・ウォーズ』の模倣だ」としながらも比較的好意的に受け止められている。

Variety誌は「スター・ウォーズ」を両親、「宇宙からのメッセージ」を私生児に例えて「日本から来た私生児(「宇宙からのメッセージ」)は両親(「スター・ウォーズ」)に認知してもらうことはできないだろう。しかし、完成度は高く、両親の顔に泥をぬるような作品ではない。特撮は優れており、アクションも申し分ない」と述べている。

Los Angels Times紙はアメリカ公開日の翌日に「大半の大人の観客はこの映画を笑い飛ばした。しかし、子供たちはこの作品に夢中になるだろう」と述べた。

もちろん、厳しい評価もあった。Boston Globe紙は「『宇宙からのメッセージ』は『スター・ウォーズ』から生まれたゴミだ」と評し、このようなゴミが映画界を混乱させている、と手厳しい評価を下した。


いずれにせよ、この「宇宙からのメッセージ」は日本でもアメリカでもほとんど忘れ去られている。しかし、この作品がアメリカでかなりの興行成績をあげたことは事実であり、もっと記憶されてもよい作品だと思われる。
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  • Date : 2016-10-30 (Sun)
  • Category : 映画
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