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「敦煌」は日本版「薔薇の名前」か?



「敦煌」といえば井上靖の傑作だ。

私も高校時代に読んだ。

バブル真っ盛りの1988年に映画化された。




中国との合作で監督は佐藤純弥監督。

佐藤監督は「君よ憤怒の河を渉れ」が中国でもヒットしたころから同国で知名度が高く、中国との合作には最適だったのだろう。




映画そのものは当時の世相を反映していて豪華な砂漠を舞台にした騎馬戦が描かれている。
「スパルタクス」などのローマ時代のスペクタクルを思わせたりもする。

当時、映画化作品を見たときにラストに不満を感じたのを覚えている。

特に戦いに敗れた朱王礼(西田敏行)が趙行徳(佐藤浩市)の前に現れるシーンだ。

原作では夕日の中でふっとさりげなく現れて、淡々と思いを伝えるのhが印象的だった。しかし映画版ではなんだか怨霊としてよみがえったみたいで「魔界転生」みたいだなあ、と思ったのを覚えている。

ただ、この作品を見たとき、ちょうどウンベルト・エーコの「薔薇の名前」を読んでいた。

(エーコは先日惜しくも他界された)


考えてみると、「敦煌」と「薔薇の名前」は舞台となった時代こそ異なるが書物に対する愛に貫かれた作品だ。

「敦煌」では経典などを西夏の侵略から護るために奮闘する主人公たちの姿が描かれている。

220px-Pelliotcave2.jpg
(実際の敦煌文書発見時の様子)

一方で「薔薇の名前」は修道院の奥深くに存在する古今東西の書物を巡る物語だ。

原作を読み比べるのも面白いかもしれない。
いずれにしても本好きにはたまらない作品だ。

ついでに言うと、両作品とも映画化作品は本来の「本に対する愛」ではない作品として(「敦煌」はスペクタクル巨編として「薔薇の名前」はミステリーとして)、一見の価値のある作品に仕上げっている、という共通点においても実に興味深い。

小説の映像化という観点からも見比べるのは知的な作業になるかもしれない。

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  • Date : 2016-04-17 (Sun)
  • Category : 書籍
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