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「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」について

子供のころ、「スター・ウォーズ」に衝撃を受け、クラスの友達がガンダムに夢中なときもずっと「スター・ウォーズ」を愛し続けていた。

しかし、「ファントムメナス」に始まるエピソード1-3に完全に失望してファンをやめてしまった。

コレクターズアイテムもかなり持っていたが・・・今では押入れの中でほこりをかぶっている。
あんなに好きだったのだが、なんだか冷めた目になってしまった。

そんな私もようやく「フォースの覚醒」を見た。



「スター・ウォーズ」信者の方には怒られるかもしれないが、率直な感想は「スター・ウォーズ」の類似作を見た気分だった。

かつて77年(日本公開78年)に一作目が公開されてから、空前のSFブームが起きた。
80年代の半ばくらいまでは結構なクオリティの高い特撮を駆使したスター・ウォーズ様のスペースオペラSF映画がたくさん公開された。

たとえば「宇宙空母ギャラクティカ」「25世紀の戦士・キャプテン・ロジャーズ」「宇宙の7人」「スペースパイレーツ」などなど。









今回の「フォースの覚醒」はそんな「スター・ウォーズ」第一作目に影響されて製作されたSF映画を見ているような気分になった。

監督のJJエイブラムスは初期のファンが満足できるような作品を目指したとのこと。
そういった意味では大成功しているのかもしれない。

私はちょっとひねくれた性格なのか映画の製作過程がとても気になる。それも特撮の手法ではなく「どのように物語を構築していったのか」という点に興味を抱いてしまうのだ。

そこで「アート・オブ・スター・ウォーズ フォースの覚醒」を読んでみた。
製作者がどのようにしてオリジナルの「スター・ウォーズ」の雰囲気を再現し80年代の作品のような雰囲気(もちろん特撮技術はすごく進歩しているのはわかっているが)を醸し出したのか知りたくなったのだ。



大変興味深く読むことができた。

序文に記されたルーカスの言葉がまず興味深かった。

ルーカスは「若い時には撮るべきものが手が届きそうなほど、近くで生き生きと感じられた。しかし、年を取って双眼鏡をさかさまにしたみたいに遠く小さくしか見えなくなった」と述べたそうだ。

なるほど・・・。
老いるとはそういうことなのか、と・・・。少しもの悲しい。
今回の「フォースの覚醒」に関してはルーカスは終始否定的だった。

自身が提出したストーリー案は却下され、投げやりにすらなっているように思われた。

しかし、ルーカスが監督したエピソード1-3の持つどうしようもない違和感はルーカス地震の「老い」にも関係していたのかもしれない。

今回の「アート・オブ・スター・ウォーズ フォースの覚醒」を読むと、スタッフはかつて若き日のルーカスが持っていた感性を再現しようとしていたことがわかる。

ルーカスはジョセフ・キャンベルの「千の顔をもつ英雄」が「スター・ウォーズ」発想の原点であると何度も繰り返してきた。


現在、「フォースの覚醒」のヒットを受けてハヤカワから出版されている日本語訳が売れているそうだが・・・この「千の顔を持つ英雄」の「スター・ウォーズ」に対する影響というのは実はあまり大きくない、という指摘もある。

「スター・ウォーズ」の爆発的ヒットを受けて「権威づけ」のようにルーカスたちが言い始めたと指摘する映画学者もいる。

実際、「スター・ウォーズ」製作の経緯についてルーカスは何度もそのいきさつを訂正しており、どれが本物かよくわからなくなってしまっている。
ダース・べイダーがルークの父という設定にしてもオリジナルの「スター・ウォーズ」公開のずいぶんあとであったことが指摘されている。

これは当時のインタビュ記事やネットに流出している「スター・ウォーズ」ならびに「帝国の逆襲」の初期脚本を細かく検討すると明らかになるのだそうだ。

その点に関して最も詳しく検討しているのがこちらの本。


ルーカスが「スター・ウォーズ」製作の上で最も参考にしたのは黒澤明監督の「隠し砦の三悪人」だ。




「スター・ウォーズ」のアイデア案、初期脚本は「隠し砦の三悪人」そのままだ。

初期脚本はネット上で比較的簡単に探すことがでいるが、当然英語の上、困ったことに内容的にもきわめて複雑で理解しずらい。

それでも知りたいファンはこちらがおすすめ。



こちらはなんとルーカスの第一稿を漫画化してしまったという本。もう内容的に「隠し砦の三悪人」そんままなのに驚くだろう。

さて、「アート・オブ・スター・ウォーズ フォースの覚醒」だが、スタッフが原点に立ち返って黒沢作品のイメージを取り入れようとしたのがよくわかる。

個人的には非常に感銘を受けたのは砂に埋もれるルークのイメージだ(完成した映画にはない)。

このルークの顔は黒沢明監督作「蜘蛛巣城」の海外版ポスターの三船敏郎のイメージそのままだ。

images.jpg

さらにルークのイメージにマーク・ハミル主演の異色作「風の惑星・スリップストリーム」を用いているものもあって面白かった。



しかし、映画というのは製作開始時点ではイメージが無限に広がり、現実の作品w作り出すというのはその膨大なイメージが縮小していくのだな、ということが実感できる。

正直、「スター・ウォーズ」には完全に冷めてしまった、とはいうものの、この本に掲載されているイメージ案の数々にはかつてのファンとして心が躍ってしまったことは否定できない。

主人公が改定に沈む「ジェダイの復讐」で描かれた第二デススターを探索に行くイメージ画にはヤラれた。

気になったはダグ・チャンのイメージだ。
チャンは「ファントムメナス」のデザイン監督をした人物だ。
「ファントムメナス」のメカはかなり評判が悪かった。



チャンは今回の「フォースの覚醒」のコンセプト画に参加しているのだが、それに際して「ファントムメナス」のデザイン監督だったことが意図的に伏せられているように本書に描かれていたのはなぜだろうか?

ただ、チャンの描いたコンセプト画はなんとなく「スター・ウォーズ」の世界観の中では浮いているように感じてしまった。

これはチャンがアーティストとして劣っているというのではなく、オリジナルの視点を強く持っているから他人の作った「スター・ウォーズ」の世界観には合わせられないのではないかな、と感じてしまった。


チャンの作品観についてはこちらの本がおすすめ。

いずれにせよ、次の作品に期待したい・・・かつての一ファンとして。









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  • Date : 2016-01-11 (Mon)
  • Category : 映画
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