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追悼・水木しげる氏  遺作「わたしの日々」がすごい!

「ゲゲゲの鬼太郎」等、妖怪漫画を中心に活躍した水木しげる氏がこの世を去って約2週間。

日本は偉大なる芸術家を失った。
その遺作「わたしの日々」を読み追悼の思いを抱くとともに、遺作にしてその芸術性の高ささらにはご本人のすばらしいお人柄に驚いた。




水木しげる氏の遺作「わたしの日々」は本年の5月末までビックコミックに連載されていたものだ。

水木氏の日常がエッセイ・コミックとしてつづられている。

漫画家として活躍する前、少年時代からの作品もフルカラーで紹介されている点、水木ファンとしては見逃せない。

水木氏は妖怪漫画だけでなく、戦争の現実を赤裸々に語る、「戦争の語り部」としても活躍していた。

実際にラバウルで戦争を体験した水木氏の描く実体験に基づく戦争は、後世の作家が描く戦争作品にはない「真実」と「戦争の醜さ」が描かれていた。
また漫画という媒体ゆえの読みやすさもあり、貴重な日本の「真実の戦争史」ともいえる。






日本人であれば水木氏の「総員玉砕せよ」「ラバウル戦記」は一回は読んでおかなければならない。

小林よしのり氏の「戦争論」や百田尚樹氏の「永遠の0」を読むのもいいが、その前に必ず読んでおかねばならないのが「総員玉砕せよ」をはじめとする水木氏の作品群だ。

ちなみに水木氏は小林よしのり氏の「戦争論」に関して一度直接作品中で意見を言っている。
こちらにその意見を述べた作品が掲載されていた。




ヒットした「戦争論」に対して水木氏が抱いた意見は重い。
この「戦争論 妄想論」は発売当初、否定的にとらえられた。「戦争論」の勇ましい口調に比べると水木氏の作品は淡々と述べているし地味な印象はぬぐえない。
アマゾンのカスタマーレビューを読んでも水木氏の意見を「老人の言動」のようにあしらっているものもある。

人は勇ましい意見に傾きがちだが、今、読み返してみると水木氏の淡々と語るこの短い一遍のほうが心に響く。

話を「わたしの日々」に戻そう。

この作品を読んでも、水木氏が戦争の影にずっとひきずられていたのがわかる。
水木氏が戦地にいたのはわずか3年。その後の長い漫画家としての成功人生があったにもかかわらず、晩年にいたるまで戦争の記憶に苦しんでいたのは心が痛む。

巻末にあるご令嬢のエッセイによれば死んだ戦友たちの夢に苦しめられていたようだ。そのイメージは黒沢明の「夢」の一遍とおそろしいくらい共通点がある。




黒沢明「夢」の一遍の絵コンテ

これはあの戦争を体験した人たちに共通のイメージなのかもしれない。


また「わたしの日々」から伝わってくる水木氏の温厚な人柄がすばらしい。
高齢化社会を迎える現代の日本。

「老害」という言葉も出てくるくらい世代間の摩擦は起きつつある。
「最近の若者は」という言葉が団塊の世代を中心とした高齢世代からよく聞かれる。

しかし、水木氏のように温厚かつしっかりとメッセージを伝える方は老若男女問わず尊敬されるのだ。


学問の世界にも年功序列にだけすがって、偽紳士として偉そうにふるまう年寄りがなんと多いことか。
「年を取っている=エライ、だから尊敬しろ」という単純な思想のもとにヒステリックに公共の場で騒ぎまくる老人が最近増加しているように思える(絶対に自分より立場の弱い人間をみつけて攻撃するのも彼らの特徴のように感じられる)。
しかし、彼らを見ていると年を取ってなお、虚勢をはって生きているもの悲しさを感じる。自分に対する自信のなさがにじみ出た哀れな老人たちだ。

水木氏が放屁や便秘など、赤裸々に「人として」すべてをユーモラスに語る姿、これは今の偽紳士老人たちが見習うべき姿である。
偉大なる作品群を描いた来た水木氏の最後の作品が便秘になって美人女医に摘便される話とは!!!

水木氏の遺してくれたすばらしい作品群に感謝しつつ、ご冥福を心からお祈りいたします。
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  • Date : 2015-12-13 (Sun)
  • Category : 書籍
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