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「宇宙の7人」

今更ながら1980年に公開された「宇宙の7人」。

「スター・ウォーズ」に始まるSF映画ブームの中で製作された一作。
B級映画の帝王とされるロジャー・コーマンにしては大型予算を投じて製作された。

今となっては忘れ去られた感があるが、実は結構面白いし、映画史の中でも重要な作品だ。


この作品、タイトルからもわかるように「荒野の7人」の宇宙版を目指した。
もうストーリーはそのまま。当然、「荒野の7人」のもとになった「7人の侍」にもオマージュを捧げている。

  



助けを求める惑星の名前がアキール。そこに住む人々の名前がアキーラ。つまり黒澤明。




「荒野の7人」に出演したロバート・ヴォーンがそのままの役柄で本作に出ているのも見どころ。

ヴォーンは「これで日本のオリジナルの『七人の侍』に出ていれば・・・」と公開当時ユーモラスに語っていた。


(ヴォーンとブリンナー)


ほかの魅力としてはスペース・カウボーイを演じたジョージ・ペパード。
ご存じ「特攻野郎必殺Aチーム」のハンニバルを演じた人だ。私生活でもヴォーンと仲が良かったとかでのちに「Aチーム」の第5シーズンではヴォーンもレギュラーになって活躍していた。

  



ちなみに「Aチーム」の第5シーズンはファンの間では極めて不評だが、遊び心いっぱいで私は結構気に入っている。
何より、デビッド・マッカラムがゲスト出演してヴォーンと「0011ナポレオン・ソロ」の後日譚のようなパロディエピソードまであって楽しいのだ(たしかマッカラムがかつての相棒のヴォーンに復讐にくるような話だったように記憶しているが・・・)。

さて「宇宙の7人」、コーマン映画にしては特撮が結構気合が入っている。映画館で公開時に見た時は、私自身がSF映画少年だったこともあって夢中になったが・・・今、改めてみるとそれほど派手ではなかったんだな、と感じる。

宇宙船が跳んでいるシーンの多くはただ宇宙を背景に「飛んでいる」だけのことが多い。しかし、巧みな編集によって壮絶なドックファイトをしているように「記憶に刻まれる」のは、この作品の優れたところかもしれない。

細かいところで非常に面白い。唯一の地球人であるジョージ・ペパード演じたスペース・カウボーイの宇宙船には南軍旗が記されていたり、またセクシー女優として知られるシビル・ダニングがフェロモン全開の衣装で登場したりとサービス満点だ。


この作品が映画史に名を残す価値があるのは、この作品がのちに「ターミネーター」や「タイタニック」を作る映画監督ジェームズ・キャメロンのハリウッド進出の足掛かりになった作品だからだ。

 



キャメロンはこの作品で特撮を担当し、さらに美術監督の解雇に伴って実質的に美術監督もこなしたと言われている。さらにこの時、キャメロンはプロデューサーのゲール・アン・ハードと出会っている。
アン・ハードと結婚し(のちに離婚)、プロデューサーと監督コンビを結成し「ターミネーター」や「エイリアン2」「アビス」といったメジャー作品を生み出していくこととなる。

「宇宙の7人」の監督を担当したのはジミー・T・ムラカミ。日系二世の監督だ。
といってもムラカミはもともとアニメーションの監督であり、この作品に監督として抜擢されたのはいささか不可解ではある。

これは推測にすぎないが、ここにロジャー・コーマンのしたたかな計算があるようにも思われる。映画から利益を上げるビジネスとしての側面を追求するコーマンにとって日系人の監督を採用することによって「七人の侍」に通じるブランド力を作った可能性がある。
さらに当時、ジェームス・クラベル原作の「将軍」がアメリカでドラマ化され大ヒットし「日本ブーム」が起きていた。





当時、SF映画と同じようにサムライ映画に需要があった。
「子連れ狼」も「Shogun Assassin」のタイトルで全米公開されたくらいだ(かなり再編集されていたが)。





ムラカミが本作品の監督になったのもそういった背景があったかもしれない。

ムラカミ監督は最近、残念ながら他界されたが、その生涯は波乱に満ちている。アメリカで生まれ、第二次世界大戦中はツールレイク日系人収容所に入れられた経験も持っている。

「宇宙の七人」の監督後はイギリスに活躍の場をうつし、レイモンド・ブリッグスの名作「スノーマン」アニメ化の際の共同監督をし、さらに同じくブリッグス原作の「風が吹くとき」をアニメ映画化し、その斬新な手法が高く評価された。

  



日本でも吹き替えを森重久弥氏が担当し話題になった。

もっとこの人には多数の作品を監督してもらいたかったが残念だ。

JIMMY_ireland.jpg
(ジミー・T・ムラカミ氏:心からお悔やみ申し上げます)

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  • Date : 2015-07-26 (Sun)
  • Category : 映画
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