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オージープロイテーション映画

「オーストラリア」という映画が2008年に公開された(日本公開は2009年)。
ニコール・キッドマンが主演したこの作品、日本でも話題になったから記憶している人も多いだろう。

オーストラリアでは大ヒットを記録し、オーストラリア映画史上第二番目の興行成績を上げたそうだ。
しかし、本音を言うとオーストラリア人以外が見てもさほど面白い映画ではない。現にアメリカでは興行的には失敗に終わり、各国の映画賞からも無視された形になった。

また内容的にも史実を捻じ曲げ、日本軍がオーストラリア本土に上陸してアボリジニを含むオーストラリア人たちを殺したりしたことになっていたりして、日本人にとっては抵抗のある作品ではあった。

しかし、この映画はそれでいいのかもしれない。なぜなら、この作品は「オーストラリア人によるオーストラリア人のためのオーストラリア映画」だからだ。他国人が口をはさむ作品ではないのかもしれない。

こう考えたのはオーストラリア映画史を描いたドキュメンタリー「Not Quite Hollywood」を見たからだ。

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この「Not Quite Hollywood」はオーストラリア映画(「オージープロイテーション映画」という)の特殊性についてオーストラリアの映画人へのインタビューをもとに構成している。

この映画を見ると、オーストラリア映画とは当初、ハリウッド映画を模倣する形で、言葉は悪いが「偽ハリウッド映画」を作ることで始まったことがよく理解できる。
ハリウッドの作品をより過激にバイオレントにしかし、低予算で作り、アメリカのマーケットに売り込む、これがオーストラリア映画の戦略だったのだ。
俳優たちはハリウッドと同じ、西洋人の顔立ちをしているからこそできた戦略だ。

ハリウッドでは描かれないエロス(とにかく裸体を露出する)、バイオレント(とにかく爆発するシーンや命知らずのスタントシーンを展開する:けが人が続出していたらしい)、そしてお下劣(ゲロを吐く、凄惨な殺人シーンなど)をふんだんに盛り込んで世界市場に映画を配給していたわけだ。言葉は悪いが、これは「ゲテ物映画」と呼ぶのが最適かもしれない。アメリカではこれらの作品はドライブインシアターなどで上映するのに最適だったのだ。
この「Not Quite Hollywood」には、あのクエンティン・タランティーノ監督も登場しているが、タランティーノ監督はこれらのゲテモノ映画の独特の魅力について語っているほどだ。

しかし、昔見たオーストラリア映画といえば真っ先に思い出すのは「マッドマックス」だ。初めて見た当時はまだ子供だったのでオーストラリア映画と認識せずに見ていた。荒野の中をどこまでも一直線に続くハイウェイで繰り広げられる過激なアクションは本当に面白かった。
したがって、オーストラリア映画がゲテモノ映画、という印象はあまり強くもっていなかった。たしかに、時として不思議な映画がある(「ハウリングIII」など)、とは感じていたが、それはどこの国にもあることだと思っていた。むしろピーター・ウィアー監督の「ピクニック at ハンギングロック」みたいな真面目な映画のほうが印象に残っていた。

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そこで「Not Quite Hollywod」の中で紹介されていたオーストラリア映画「Sky Pirates」という作品を取り寄せて見てみた。

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製作は1986年、大ヒットしたハリウッド映画「レイダース・失われたアーク」や「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」に刺激されて製作された作品だそうだ。

「レイダース」がヒットした頃、この手の連続活劇が多数製作された。アメリカでは「スタートレック」映画版でデッカー副長役を演じたスティーブン・コリンズが主役でTVシリーズ「Tales of the Gold Monkey」が製作され、また映画でも「将軍」に主演したリチャード・チェンバレン主演で「キング・ソロモンの秘宝」が製作された。

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「Tales of Gold Monkey」は脱力する作品だったが、まあ、見られない作品ではない。「キング・ソロモンの秘宝」は正直、面白かった。
そこで「Sky Pirates」もある程度の期待を込めて見てみた。

しかし・・・。

久々に頭が痛くなる作品を見た気分だ。
本物の「オージープロイテーション映画」とはこういうものなのか、と強烈な洗礼を浴びせられた。
二度と見たくない映画は久々だ。

物語は第二次世界大戦終結間際、古代に地球を訪れた宇宙人が残した強大なパワーを秘めた石板(なんだそりゃ?)を求めてオーストラリアの飛行機乗りがイースター島のモアイを目指す、といったところ。

音楽が本家「レイダース」に似ていたりといったことには目をつむろう。覚悟していたことだ。しかし、まず、どうにも演技から・・・・。俳優たちが何度もセリフを噛んでしまっているが、そのまま使われている。
それから時間軸が狂いっぱなし。飛行機に乗り込むのが夜なのに飛び立つのは昼間だったり、バーに入るのが夜なのに出てきたら真昼間だったりする。
登場人物の人数がちょこちょこ変わる。最初5人で旅立ったのに途中から3人になってしまう。残りの二人はどうしたのか、と思っていると「二人は死んじゃった」とただ一言ナレーションが入るだけ。
アクションシーンは確かに過激だ。
なんと飛んでいる飛行機の翼に主人公がしがみつくといった迫力満点のシーンだ。しかし、どうにもスリルが・・・。
というのも、飛行機にしがみつく主人公、なんとそこへ敵の戦闘機がやってくる。機銃掃射を始める敵の飛行機、このままでは翼にしがみついている主人公が撃たれてしまう。危機一髪!
でも大丈夫。なんと敵の戦闘機は弾切れです。
これでは見ているこちらは力が抜けてしまう。

「レイダース」ではインディ・ジョーンズがナチスの運転するトラックと壮絶なチェイスを展開する迫力満点のシーンがあった。「Sky Pirates」にだって、そっくりのチェイスシーンがある(というよりまる写し)。しかし、本家の「レイダース」ではインディに倒されたナチスは車に轢かれたり、崖から突き落とされたり、という程度(?)だったが、そこはオーストラリア映画、やられた悪人の死にかたがすさまじい。「Sky Pirates」では車から突き落とされた悪玉はなぜか感電死したり爆弾の山に突っ込んだりして爆死する。このあたりまで来ると「もう、ごちそうさまです」という気分になる。

なんとか最後まで見たが、確かにこれはひどい。

でも、これで「Not Quite Hollywood」の中でオーストラリアの映画人たちが嘆いていたことの意味がよくわかった。彼ら(彼女ら)は「オーストラリアの文化としての映画」がないことを嘆いていたのだ。

そう考えると、2008年の映画「オーストラリア」の見方が変わってくる。
「オーストラリア」はオーストラリアの人たちにとって自らの「文化」として誇れる映画だったのだ。
だから海外でコケようが、歴史認識に問題があったとしても、それはオーストラリアの人たちにとって大したことではないのかもしれない。


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  • Date : 2011-01-16 (Sun)
  • Category : 未分類
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