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「スター・トレック」のちょっと変わった楽しみ方

「スター・トレック」といえば60年代の伝説的テレビシリーズから始まり現代にいたるまで世界各国に根強いファンのいる人気シリーズだ。

オリジナルのテレビシリーズから派生してテレビアニメ版を経て映画版が6作製作された。その後もキャストを一新してオリジナル版の100年後を描くテレビシリーズシリーズ「ネクストジェネレーション」シリーズも好評となりこれまた多くの映画版が製作された。
それ以外にも様々なスピンオフのテレビシリーズや小説が数多く発表されている。

私は熱烈な「スター・トレック」ファンではないので作品についてウンチクは語れないが、今回はちょっと趣向の異なる「スター・トレック」の楽しみ方を紹介しようと思う。
オリジナル版の「スター・トレック」では登場人物である宇宙船エンタープライズ号の乗組員はカーク艦長のもと一致団結しているが、実は演じている俳優さんたちはすこぶる仲が悪いようだ。
映画版の三作目が公開されたあたりから出演している俳優たちによる内情暴露合戦が始まった。「スター・トレック」の出演者の多くが「自伝」の形で撮影現場の内情を赤裸々に描き出したのだ。

一番多くの自伝を発表しているのがカーク艦長役のウィリアム・シャトナーだ。この人はとにかくたくさん書く(といってもゴーストライターを使っているようだ)。ほとんどがあまり面白くないのだが、例外的に「Star Trek Memories」と「Star Trek Movie Memories」の二冊は読みやすくて面白い。
"Star Trek" Movie Memories
(1996/10/07)
William ShatnerChris Kreski

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この中でシャトナーは自分がキャストに敬愛されており「スター・トレック」という家族の父親であるかのように書いた。
例えば、「Star Trek Movie Memories」の記載によれば、、シャトナーらオリジナルキャストにとって最終作となる「スター・トレック6・未知の世界」の撮影の最終日には、キャストが皆が、これで最後かと思うと名残惜しくてわざとNGを出して少しでも一緒でいる時間を長くしようとしたそうだ。



ところが、実はシャトナーはほとんどのキャストから大変嫌われているのだ。まず口火を切ったのがミスター・スールーを演じている日系二世のジョージ・タケイだ。
この人が書いた「To the Stars」はとにかく評判が悪い。書評でも「つまらない」という評価が多い。
To the Stars: The Autobiography of George Takei, Star Trek's Mr. Sulu (Star Trek (trade/hardcover))To the Stars: The Autobiography of George Takei, Star Trek's Mr. Sulu (Star Trek (trade/hardcover))
(1994/10)
George Takei

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本人もそのことは自覚しているようで、子供番組の「セサミ・ストリート」に出演した際に「自伝がつまらない」ことをネタにして人形たちとコントをやってのけた。この辺りの懐の深さは尊敬に値する。しかし、実際にはこの自伝は決してつまらなくない。少なくとも前半はべらぼうに面白い。
というのも、タケイは太平洋戦争勃発時に当然アメリカに住んでいたため、近代アメリカ史の汚点とも言われる「アメリカ政府主導による日系人の強制収容」を体験しているのだ。この自伝にはアメリカで生まれ、アメリカ国籍をもっているにもかかわらず財産を没収されて収容所に入れられたタケイの悲惨な体験がつづられているのだ。戦争を始めるということはこういった世界の隅々にいる人たちにも不幸を引き起こすのだ、ということを考えさせられる上で貴重な本といえる。
しかし、後半になって「スター・トレック」の思い出について語る部分になるとどうしようもなくつまらなくなってしまう。長々と書いてあるが一言で説明すれば「とにかくシャトナーが嫌い」、これに尽きる。シャトナーとタケイの仲の悪さは今も続いている。先日タケイが同性結婚をした際にタケイが「スター・トレック」のキャストの内シャトナーだけを結婚式に招待しなかったことでさらに二人の関係の悪さがクローズアップされた。シャトナーは「招待されなかった」と怒り、タケイは「招待状を送ったのに来なかった」と主張した。どっともどっち、というのが正直な感想である。



さて、タケイと仲がいいのはミスター・チェコフを演じたウォルター・ケーニッグ。全く評判にならなかったが、この人も自伝「Warped Factors」を執筆している。
Warped Factors: A Neurotic's Guide to the UniverseWarped Factors: A Neurotic's Guide to the Universe
(1998/04)
Walter Koenig

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この人もシャトナーの悪口を色々と綴っているがタケイほど辛辣ではない。ただ、前述のシャトナーの「Star Trek Movie Memories」に書かれている「スター・トレック6・未知の世界」の撮影最終日について触れている点が興味深い。シャトナーが「キャストは皆、別れを惜しんだ」としているのに対してケーニッグは、とにかく自分が脇役に徹し続けたことを考え(いつもカメラの隅っこにいるのがイヤだったようだ)「非常に不愉快な気分だった」と記している。
ただ、シャトナーの人柄については「仕事を一緒にするから腹が立つ。そうでなければいい人だ」としている。その複雑な感情を「(シャトナーが)あまりに人柄はいいのでときに怒りを忘れそうになってしまい、一生懸命ほっぺたをひっぱたいて自分の目を覚まさなければいけない」と表現している。タケイに比べると怒りの表現が生々しくて、実はこの人の方が根に持つタイプなのかも、と邪推してしまう。
「スター・トレック」ファンにとってケーニッグの自伝にはもうひとつの魅力がある。巻末に「スター・トレック6」が企画段階にあったときにケーニッグが製作元であるパラマウント・スタジオに提出したストーリー案が記載されている。ファンであれば押さえておきたいところだろう。



一方、シャトナー演じるカーク艦長と漫才コンビであるかのような掛け合いを見せるミスター・スポックを演じたレナード・ニモイだが、この人は役柄に関する思い入れが大変に強いようで、テレビシリーズ終了後に「I am not Spock」を発表し、タイプキャスティングにはまってしまう恐怖について書き記した。
わたしはスポック (扶桑社ノンフィクション)わたしはスポック (扶桑社ノンフィクション)
(2001/04)
レナード ニモイ

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その後、映画監督としても一応の成功を収めてこころの余裕ができたのか後年「I am Spock」を発表。この作品は邦訳もされていて「わたしはスポック」の題名で日本でも発売されている。ニモイは人柄がとても出来ているのかゴシップの類いは全く書かない。また他人を誹謗中傷する内容を一切書かないのもこの人の自伝の特徴だ。ミスター・スポックはカーク艦長と並んで人気のあるキャラクターにもかかわらず、それを演じるニモイがほかのキャストからほとんど嫌われていないのも納得できる。



続いては紅一点のウフーラ役を演じた二シェル・ニコルズ。この人の自伝「Beyond Uhura」は読み応えがある。
Beyond UhuraBeyond Uhura
(1994/10/19)
Michelle Nichols

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「スター・トレック」についてはあまり触れられていないが、唯一の女性レギュラーであり黒人としてシリーズに参加したことによって自分の役柄が多くの視聴者に夢や希望を与えたことについて書き綴っている。女性の社会進出や人種差別問題などアメリカが抱える問題に自分が与えた影響についてエッセイ風に記してあり、「スター・トレック」のファンには物足りないかもしれないが、近現代のアメリカ社会に興味がある人には一読をすすめる。



もう一人、「スター・トレック」においてカーク艦長、ミスター・スポックと並んで人気のあるキャラクターにドクター・マッコイが挙げられる。
ドクター・マッコイを演じたデフォレスト・ケリーは本来は悪役俳優だったが「スター・トレック」によってすっかり「気難しい医者」というイメージが定着してしまった俳優である。私生活においてはとてもシャイな人物だったようで、プライベートをあかすことを嫌がっていたとされている。その証拠に何度も自伝執筆の依頼を受けていたが断り続けていたらしい。では、プライベートが全く発表されていないかというと、実はそうではない。
ケリーは1999年に胃癌でこの世を去ったが、この際、彼の最後を看取った一人のファンがいた。クリスティーン・スミスという名のこの女性は10代のころからケリーのファンだった。しかし、やがて公私に渡ってケリー(とその妻)と付き合うようになり最終的にはケリーが末期癌だとわかってから献身的に介護をするまでに至った(ケリーが末期の胃癌と診断された際にケリーの妻も高齢で入院していたので介護ができなかった)。ケリーはこのスミスのことを大変信頼しており、死の直前に彼女に自身の伝記の執筆を許可したとされている。ところが、ケリーの死後に彼女が発表した「Harvest of Memories」と題された本は伝記というより介護記録ともいえる代物で内容的にも疑問を禁じ得ない代物だった。
Deforest Kelley: A Harvest of Memories : My Life and Times With a Remarkable Gentleman ActorDeforest Kelley: A Harvest of Memories : My Life and Times With a Remarkable Gentleman Actor
(2001/11)
Kristine M. Smith

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というのも、ケリーの体の状態がいよいよ悪くなって来たときの様子を克明に執筆しており(ほとんど日記といえるくらいに毎日弱っていく様子が赤裸々に書かれている)、これは道徳的に問題があるのではないかと思われるのだ。ケリーが自分の弱っていく体に苦悩する様子だけならまだしも、排尿排便介助の様子にいたるまで生々しく書いてしまうのはいかがなものかと。ケリーは自伝執筆を頑に拒否するほどプライベートを晒すことを拒んだ人物だった。その彼のこういった姿を世に公表してしまうのが許されるのかどうか・・・・。ケリーがこういった形で自分の姿が死後に曝されることを望んでいたのか・・・非常に快くない読後感に悩まされる一冊だ。
加えて、スミスの文章が非常に稚拙なのも気になる。彼女は自分が「作家」だと主張しているが、実際には彼女の本は全部自費出版に毛が生えた代物ばかり(ちょっと文章のうまい高校生の書いた日記といった程度の文章力)。本職は家業の建築会社の事務と動物愛護団体(といっても「実験動物の権利を守れ」と主張して医学研究に反対する団体)の運営をやっているようだ。彼女の献身的な介護には敬意を表するが、この本は決してお薦めしない。「スター・トレック」のファンであれば読まないほうがいいかもしれない。
もしケリーの生涯に興味があるのであれば「From Sawdust to Stardust」という公式の伝記がある。こちらをお薦めする。
From Sawdust to Stardust: The Biography of DeForest Kelley, Star Trek's Dr. McCoyFrom Sawdust to Stardust: The Biography of DeForest Kelley, Star Trek's Dr. McCoy
(2005/02/01)
Terry Lee Rioux

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この本は実はスミス公認(つまりはケリー公認)の伝記になる。というのも、スミスはケリーの許可に基づいて一度は本格的な伝記の執筆を試みたらしい。しかし、自分にはとても書けないことを悟り、プロの伝記作家に依頼したのだ。それがこの「From Sawdust to Stardust」になる。ある意味、ケリーが死の間際に許可し、発表されるのを望んでいたのはこの伝記だったといえるだろう。資料的価値も高く、大変読みやすい。お薦めの一冊。



これらのキャストたちはどうしても冷静さを失ってしまっているところもあるので第三者の意見を読んでみるのも面白いかもしれない。映画版「スター・トレック」の第二作「カーンの逆襲」と第六作「未知の世界」の監督を担当したニコラス・メイヤーによる自伝「The View from the Bridge」は一読に値する面白さ。
The View From the Bridge: Memories of Star Trek and a Life in HollywoodThe View From the Bridge: Memories of Star Trek and a Life in Hollywood
(2009/08/20)
Nicholas Meyer

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「スター・トレック」に出演する俳優の団体さんを相手にそれぞれの俳優に見せ場を提供しつつ、それぞれのエゴを満足させることの難しさが淡々と記されている。
それ以外にも「シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険」や「タイム・アフター・タイム」、「ザ・デイ・アフター」などメイヤーのマニア心をくすぐる代表作の舞台裏まで知ることができるお得な一冊。



最後に「スター・トレック」で機関長であるスコッティを演じたジェームス・ドゥーハンの自伝「Beam me up, Scotty」について・・・・。
BEAM ME UP SCOTTY (Star Trek (trade/hardcover))BEAM ME UP SCOTTY (Star Trek (trade/hardcover))
(1996/12/01)
James Doohan

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これは最も珍妙な一冊。この自伝にはいかに自分が「グレートな存在」なのかがひたすらに書かれている(決して嫌味に聞こえないように書かれているところは好感が持てるが・・・・)。まさにドゥーハンによるドゥーハンのためのドゥーハンの伝記。「オレ様の伝記」という表現がぴったり。この自伝によれば彼の出演した映画の監督は全てドゥーハンを「最高の演技者だ」と称え、共演した女優さんはすべて彼に恋に落ちてしまう。ドゥーハンは見た目もパッとしないオジサン風だし、「スター・トレック」以外にこれといった代表作もない。俳優としてはあまり成功したとはいい難い人物なのだが・・・・。この自信は一体なぜ?


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  • Date : 2010-10-23 (Sat)
  • Category : 書籍
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