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「坂道」的散歩のすすめ

タモリ氏による「タモリのTOKYO坂道美学入門」を読んだ。

すばらしい作品だ!


新訂版 タモリのTOKYO坂道美学入門新訂版 タモリのTOKYO坂道美学入門
(2011/10/25)
タモリ

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散歩をする、という行為は気分転換にもなるし健康にもいい。
しかし、出来ればその時間に知的興奮が伴っていれば最高だ。

漫然とただ歩くのではなく、その道の歴史に思いを馳せ、そして気づいた些細なことを調べ自分の知性の「栄養」にしたい。

そんな心を刺激するのがこの一冊だ。

東京には一年ほど住んでいたことがある。しかし、当時はそんな余裕もなく自分の生活範囲内で過ごすだけだった。

この本はタモリ氏が副会長を務める「日本坂道学会」の成果としてまとめられたほんとのこと(といってもタモリ氏を含めて学会員は二人だけだそうだが・・・)。


「学会」という表現をややオーバーに感じるかもしれない。

しかし私自身、理系の研究の世界で働いているが日本では学問の世界における「学会」の閉鎖性にはいやになるときがある。

もちろん全部の学会がそういうわけではないのだが(病気や疾患を重点的に研究している学会は必ず研究者以外にも門戸を開いている)、基礎研究の学会というと本当に情けない学会があるのも事実だ。

行きがかり上入らなければならなかった日本の基礎研究のある分野の学会があった。
その学会の集会に行ったらろくに英文で論文を発表できない年配教授たちが威張っているだけの「日本の中で虚勢を張る」学会だったことがある。もちろん1年もしないうちに脱退した。

それに比べて「学問」として見事にかつ知的興奮をそそる「TOKYO坂道美学入門」を発行している日本坂道学会の活動には心あら敬意を表したい。

東京の坂道の雰囲気だけでなく「江戸情緒」にいたるまでがわかりやすく説明されていて、すぐにでも東京に行って実物を見たくなってしまう。
坂道見学のための地図と周辺のレストランなども一緒に記載されていて、実際に本を片手に坂道を見に行き「坂道学」が堪能できるように工夫されている。
電子版もあるようだが、個人的には紙媒体の本を片手に歩きたい。だって、「江戸情緒」までも感じながら歩けるのに電子版で歩いてはせっかくの情緒が半減しそうではないか!

タモリ氏は江戸情緒を重要視しているが、私は個人的には江戸だけでなく明治から大正の時期の日本に思いを馳せてしまう。

明治から大正時代は日本が、その後の「戦争」に突き進み破滅に向かって行く前に一瞬見せた「光」というかかずかな「幻」のような「淡い光」の中でエネルギーを発揮していたような気がするのだ。当時の人々が、発したエネルギーがかすかな、しかし確かな光を発した瞬間とでも言おうか・・・。

江戸時代の浮世絵も好きだが、明治期の日本の姿を捉えた小林清親の木版画群に私は心を揺さぶられてしまう。


小林清親 文明開化の光と影小林清親 文明開化の光と影
(2015/02/20)
小林 清親

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一度、小林清親の作品群の中から現代の東京の姿を考察できたら、なんて夢を持ってしまったりするのだ。

また日本には今和次郎というすさまじい考現学の大家がいた。
幸い、その著書は現在も読むことが出来る。
これがまたすごい一冊だ。


考現学入門 (ちくま文庫)考現学入門 (ちくま文庫)
(1987/01)
今 和次郎

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さて最近、同様の本で感動したのが松本英子氏の「謎のあの店」。


謎のあの店 1 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)謎のあの店 1 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)
(2012/08/07)
松本英子

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こちらは漫画エッセイのスタイルをとっている。松本氏が街を探索する中で「いったいあの店は・・・」と思った店に実際に行って体験したことをまとめた作品。

作品中、訪れた店の名前や位置などは明らかにしていないが「なぜだ?」「どうしてだ?」という知的好奇心を実際に「体験して」解明する、という基本的な「学問」の姿勢を貫いているからこお読む者の心をとらえる。

前述の虚勢を張るだけの年配教授たちに共通しているのは「知的な喜びがない」ということ。これらの年配教授は「勉強」はできるが「学問」がない。

その点、タモリ氏や松本英子氏の作品は知的好奇心を大いに刺激するのだ。

「勉強」が嫌いでも「知的興奮」そして「知的好奇心」が満ちている方には是非。オススメだ。

松本氏の作品では同様の作品に「プロジェクト松」もある。こちらも同様のコンセプトだが、この本の場合、訪れた店や場所のデータも記載されているので実際に試すこともできる。


プロジェクト松 ステキな東京魔窟プロジェクト松 ステキな東京魔窟
(2014/11/14)
松本英子

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タモリ氏と日本坂道学会には是非、今後東京だけでなく他県においても坂道学を広めてほしいと心から願ってしまった。

私は地方都市に在住しているが、是非、学会に入会させていただき、住んでいるこの地方都市の坂道を調べてみたいものだ。
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  • Date : 2015-03-09 (Mon)
  • Category : 書籍
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