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レイモンド・ブリッグス「さむがりやのサンタ」に込められた意味

完全に季節外れだが・・・。

当ブログでたびたび取り上げている絵本作家レイモンド・ブリッグス。

インタビューなどにはあまり答えないことで有名だが、昨年の暮れにめずらしくインタビューに答え代表作「さむがりやのサンタ」について語った。


さむがりやのサンタ (世界傑作絵本シリーズ―イギリスの絵本)さむがりやのサンタ (世界傑作絵本シリーズ―イギリスの絵本)
(1974/10/25)
レイモンド・ブリッグズ

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さて、以前から指摘しているようにブリッグスは両親への想いが非常に強い。

アトリエには良心のステンドグラスが飾られているほどだ。


Blooming BooksBlooming Books
(2003/10/02)
Raymond Briggs

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(ブリッグスの解説本としてはこちらが最高。英語だがほとんどが作品の紹介なので英語が苦手な人も問題ない。この解説書にはブリッグス作成の両親のステンドグラス画の写真も掲載されている)

ブリッグスはひとりっこで労働者階級の両親の期待を一身に受けて育った。

父親は牛乳配達人、母親は元召使だった。

両親はブリッグス作品に度々登場しており問題作「風が吹くとき」の老夫婦も実はブリッグスの両親がモデルだ。


風が吹くとき風が吹くとき
(1998/09)
レイモンド ブリッグズ

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風が吹くとき オリジナル・サウンドトラック風が吹くとき オリジナル・サウンドトラック
(1994/03/16)
サントラ、デビッド・ボウイ 他

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(映画化は日系のジミー・T・ムラカミが監督で製作された。ムラカミはなぜか「宇宙の7人」というSF映画の監督もしているが、もともとアニメーション監督だった。テーマ曲を歌ったのはデビッド・ボウイ。心に響く曲だった)


「風が吹くとき」と同じ主人公(つまりブリッグスの両親)の作品がもうひとつ存在する。

それが「ジェントルマン・ジム」。


Gentleman JimGentleman Jim
(2008/09/23)
Raymond Briggs

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現代社会への痛烈な皮肉作品となっている。

そんなブリッグスの両親をそのまま主人公にした二人の伝記となっている作品もある。

それがこちら。


エセルとアーネストエセルとアーネスト
(2007/12/10)
レイモンド ブリッグズ

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何度も紹介した作品だが、庶民の英国史としても必読の作品だ。それ以上にブリッグス作品を鑑賞する上では欠かせない作品だ。

現在「エセルとアーネスト」は映画化準備中なので期待したい(かなり困難なようだが・・・)。

さて、そんなブリッグスの代表作はなんといっても「さむがりやのサンタ」。


さむがりやのサンタ (世界傑作絵本シリーズ―イギリスの絵本)さむがりやのサンタ (世界傑作絵本シリーズ―イギリスの絵本)
(1974/10/25)
レイモンド・ブリッグズ

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原題は「Father Christmas」。

ブリッグスは最新のインタビューでやはりこの作品のサンタも自分の父がモデルである(というかサンタは父を象徴している)と話した。

原題からわかるようにこれはFather(=父)の物語だったのだ。

ブリッグスの父は牛乳の「配達屋」そしてサンタはプレゼントの「配達屋」だ。
つまり同じ職業だ。

ブリッグス自身、子供の頃、クリスマスの朝も父と一緒に牛乳を配達した記憶が残っているそうだ。

本をすでに持っている人は良く確認してほしい。作品中にブリッグスの父は登場している。そしてサンタと言葉を交わしているのだ。これはまさにブリッグスが「父」に対して全ての想いを込めた一コマなのだ。

さて、ブリッグスは続編「サンタのなつやすみ」も発表している。


サンタのなつやすみサンタのなつやすみ
(1998/05)
レイモンド ブリッグス

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さて、こちらの作品。どちらかというとサンタが暴走気味の作品だ。

夏休みと称して世界各国をまわって珍道中を繰り広げるサンタ。

実はこの作品の執筆のきっかけはブリッグスの妻の死だったそうだ。

ブリッグスは若くして妻を失ている(現在は事実上のパートナーと一緒にいる)。

そのとき、従来出不精のブリッグスだったが友人のすすめでフランスやスコットランドに旅をしたそうだ。

そのときの体験が「サンタのなつやすみ」のベースになっているそうだ。

哀しみや思い出の中から作品が生み出される。

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  • Date : 2015-01-25 (Sun)
  • Category : 書籍
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