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「ロード・オブ・ザ・リング」の監督の隠れた名作

大ヒット映画「ロード・オブ・ザ・リング」の監督といえばピーター・ジャクソン監督だ。
しかし、JRR・トールキン原作の「ロード・オブ・ザ・リング」を映画化したのはジャクソン監督が最初ではない。

1978年(日本公開1979年)にラルフ・バクシ監督の手によってアニメーション映画として製作されている。

今回は、このラルフ・バクシ監督による隠れた名作「Wizards」について解説してみたい。

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J.R.Rトールキン

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ラルフ・バクシ監督はパレスチナ生まれでアメリカで活躍するアニメーション作家だ。
1972年にアメリカの伝説的漫画家ロバート・クラムが描いた「フリッツ・ザ・キャット」をアニメーションで映画化したことで知られている。

余談だが、「フリッツ・ザ・キャット」の原作者のクラムはこの映画化された作品が嫌いで、映画の公開後に訴訟に踏み切っている。さらには二度と自分の創作したキャラクターであるフリッツが映画化されないように、原作の漫画版でフリッツを殺してしまう念の入れようだった。

Complete Crumb: Death of Fritz the Cat (Complete Crumb Comics)Complete Crumb: Death of Fritz the Cat (Complete Crumb Comics)
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Robert Crumb

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<このDeath of Fritz the Catにおいてクラムは主人公フリッツを殺したばかりか、バクシそっくりの悪役を登場させている>


さて、バクシが1977年に映画化したアニメーション映画に「Wizards」がある。

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「Wizards」はもともと1967年にTVシリーズ用にバクシが考えた物語だった。結局、劇場映画として製作されることになり20世紀フォックス社が製作したアニメーション映画の第一号となった。

物語は人類が最終戦争によって壊滅的打撃を受けた数千年後の未来を描いている。この世界では魔法を使う「いい人類(妖精などの外見をもっている)」と失われた前世紀のテクノロジーを駆使する「悪い人類(怪物の外見をもっている)」がおり、この両者の戦いが描かれている。

バクシは「Wizards」だけでなく「ロード・オブ・ザ・リング(公開当時の邦題は「指輪物語」)」においてもロトスコープと呼ばれる技法を多用した。
ロトスコープとはライブアクションで撮影したフィルムを一コマずつトレースして完成させるアニメーションの技法で有名なところでは「スター・ウォーズ」のライトサーベルの発する光などがこの技法を使っている。また、現在公開中の「トロン:レガシー」の前作「トロン」(1982年)もロトスコープが大々的に用いられた作品だ。
「Wizards」では既存の映画(「エル・シド」や「バルジ大作戦」)のフィルムをもとにロトスコープを用いた映像が作りだされている。
「Wizards」や「指輪物語」が公開されたときに手塚治虫氏はこの技法に感銘を受けたといわれている。一方、宮崎駿監督は否定的だったとか。

しかし、この「Wizards」、アニメーションのファンなら見逃せない作品ではある。宮崎監督はロトスコープという技法には否定的だったようだが、「Wizards」という作品そのものにはのちの宮崎作品に少なからず影響を与えたと思われる部分も散見される。
人類の最終戦争後に「失われた技術」を巡って対立する、というプロットそのものは「風の谷のナウシカ」と共通しているように思われる。また「カリオストロの城」や「千と千尋の神隠し」に影響を与えたのではないか、と思われるイメージも散見されるようだ。

さらにSF映画史の中においても興味深い位置づけを持った作品だ。この「Wizards」が公開されたのは1977年の2月。ジョージ・ルーカス監督の「スター・ウォーズ」が公開されたのが約3ヶ月後の1977年の5月。この2作品は両方よも20世紀フォックス社の配給だ。
実は、「Wizards」は製作途中に予算の追加が申請されたのだが、却下されてバクシ監督はポケットマネーを使って製作を続行することを余儀なくされた。このときバクシ監督の要請が却下されたのは他でもない、「スター・ウォーズ」の製作費が雪だるま式に膨れ上がった結果、20世紀フォックス社がほかの映画に配分する予算がなくなってしまったためだった。

「Wizards」と「スター・ウォーズ」の接点はそれだけではない。

「Wizards」と「スター・ウォーズ」は当時無名だったマーク・ハミル(「スター・ウォーズ」のルーク役)に同時に注目した作品だったのだ。
ハミルは「スター・ウォーズ」と同時期に製作されたこの「Wizards」において声優としてデビューしている(山に住む妖精の王様役)。ハミルは「スター・ウォーズ」後は主に声優として活躍しているが、その才能にいち早く目を付けたのが「Wizards」だったということになる(ハミルは「天空の城ラピュタ」や「風の谷のナウシカ」などの宮崎作品のアメリカ版の声優も担当している)。
ちなみに「Wizards」はもともと「War of the Wizards」の題名で製作されていた。しかし、同時期に公開される「スター・ウォーズ」と題名がかぶっているためルーカスがバクシ監督に直接交渉して題名を「Wizards」に変えさせたという経緯があった。もちろんバクシ監督はこの提案に従い、見返りとしてハミルの声のリテイクを「スター・ウォーズ」の撮影中に行うことをルーカスに許可させたそうだ。

このようにアニメーションのファンだけでなくSF映画史の観点からも見逃せない作品なのだが、なぜか日本ではDVD化されておらず、忘れられた傑作になっている。アメリカではDVD化されているがリージョンコードの問題もあるし日本で見るのは容易ではないのが現状だ。
このブログで紹介した上記のVHSが一番簡単に観賞する方法かもしれない。
一度おためしあれ。


また、「スター・ウォーズ」のルーク役、マーク・ハミルが主演したもうひとつの傑作に「コルベット・サマー」がある。

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是非、一度お試しください。

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  • Date : 2010-12-27 (Mon)
  • Category : 未分類
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