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初めての読者のために清水義範ワールド(その1)

2004年くらいまで清水義範氏の本は出版されたものはほとんど全て読んでいた。
児童向けのSFから清水氏の弟の清水幸範氏と書いたパソコンレッスンの本、「パソコンマスターへの道」まで読んだ。

2004年より日本を離れたことに加えて清水氏のあまりにも早い出版ペースについていけなくなってしまった。

でも、我が家には膨大な量の清水氏の本がある。

それらを整理しながら「初めての読者のために清水義範ワールド」を展開したいと思う。


パソコン・マスターへの道―電脳兄弟のパソコン放浪記 (光文社文庫)パソコン・マスターへの道―電脳兄弟のパソコン放浪記 (光文社文庫)
(1997/12)
清水 義範、清水 幸範 他

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こちら清水兄弟のパソコン本
それにしても膨大は冊数のため、今回はほんの一部だ。
出版順とかではない。ただ、思いつくままに、という感じだが、敢えて言えばオススメ順ともいえるように書いてみた。

清水氏の作品というと何より「パスティーシュ小説」と呼ばれる作品群がある。

「パスティーシュ」というなにやらよくわからない。とにかく洒落て文学的な響きをもつこの表現は清水氏の作品の代名詞のように扱われる。
私もその定義についてはよくわからないのだが簡単に言うとパロディとでもいえばいいのだろうか。

大元になる文学の作者の文体を真似て、パロディ作品を作るということになる。

世の中にはこういう作品をバカにする人がいる。
曰く、「オリジナリティがない」「模倣だ」「お笑いにすぎない」「こんな作品より原作を読め」などなど。

しかし、大抵こういう言い方をする人はオリジナル作品を「眺めている」だけで「読んでいない」人が多かったりする。

清水氏は明らかに文豪作品からベストセラー作品まで完全に読みこなし、咀嚼し、わかりやすくした上でそれをパスティーシュ作品として読者に提供してくれる。

私のような文学者でもない存在は清水氏の作品がきっかけになってオリジナルを読んだことも多々ある。
そして実はそのほうが原作をよりよく理解できたように感じた。

そんなオリジナル作品が読みたくなる短編集を今回はまず何冊か紹介。

「私は作中の人物である」


私は作中の人物である (講談社文庫)私は作中の人物である (講談社文庫)
(1996/06)
清水 義範

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この中に収録されている「船が洲を上に行く」が最高。
なんとこの作品、あの「フィネガンス・ウェイク」のパロディなのだ。


フィネガンズ・ウェイク 1 (河出文庫)フィネガンズ・ウェイク 1 (河出文庫)
(2004/01/07)
ジェイムズ・ジョイス

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ジェイムス・ジョイスによる原作は様々な言語が用いられ、内容も難解そのものだ。原文を読もうと試みたことが私もあるが、とても太刀打ちできる代物ではなかった。
当然、日本語訳は不可能と思われていたが、清水氏が「船が洲を上に行く」を発表した頃、ついにその翻訳が発表された。

つまり「船が洲を上に行く」は、この発表された邦訳のスタイルをパスティーシュしたという複雑極まりない、そして格調高い爆笑作品なのだ。


しかも、あとがきは「フィネガンス・ウェイク」の邦訳を行った柳瀬尚紀氏によって書かれている、という豪華さだ。

さて、「船が洲を上に行く」というのは「フィネガンス・ウェイク」のタイトルをワープロで誤変換したような題名になるが、清水氏はこの誤変換の面白さを使って「ワープロ爺さん」という作品をかつて発表した。この作品集の中にも「文字化けの悦楽」という同様の作品が収録されている。

オススメの一冊だ。


さらに理系の論文の文体をパロディにしてしまったのが「ゴミの定理」


ゴミの定理 (講談社文庫)ゴミの定理 (講談社文庫)
(2004/02)
清水 義範

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「ゴミは分別して捨てよう」というこれだけのことを言うために数式を駆使した作品。
いくらなんでも、というくらい科学者をバカにした表現が続く。最後に「文庫化に際した表記」として「珍説を純粋に楽しめ」と言われてしまう。

深く計算しつくされた爆笑作品だ。

もうひとつ忘れてはならないのが「永遠のジャック&ベティ」


永遠のジャック&ベティ (講談社文庫)永遠のジャック&ベティ (講談社文庫)
(1991/09)
清水 義範

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戦後の日本における英語教科書の登場人物ジャックとベティが大人になって再会したら・・・とい作品。

日本の英語教育の問題を根底から問いかけ、かつ爆笑を誘う作品。

ジャックとベティの教科書で学んだ60代の学者というのは不思議と自分の英語表現に強い自信を持っていることがある。
ものすごく文法的に正確であることが美徳である、と感じていて、珍妙かつ長文で理解の難しい英文を書くが、それが高尚な英語と思っている。そんな学者によく出会う。
(もちろん全員がそうなんて思っていませんので誤解のないようお願いします)。

こういった学者の書いた英文は関係代名詞がやたらと多用されていて、何が言いたいのかよくわからないのだ。その上、通常、使わないような難しい単語が並ぶ。
私はかつて論文に「be able to」という普通の英語表現を用いたら60代の学者から「これは口語表現だ。通常、学者はbe able toなどという表現は使わない」と批判を受けたことがある。

日本人なのにアメリカ人やイギリス人以上に英語を知っているという不思議な自信・・・これはどこから来たのか?

彼らがこういう不思議な英語に対する感覚を持ったのは・・・「永遠のジャック&ベティ」を読めばなんとなく理解できる。

おそろしいのはこの「永遠のジャック&ベティ」・・・英語版もあるんだよなあ・・・。


永遠のジャック&ベティ (講談社英語文庫)永遠のジャック&ベティ (講談社英語文庫)
(1993/02)
清水 義範

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さて、この作品集には「冴子」という傑作も。これは谷崎潤一郎の「瘋癲老人日記」あたりが原典なのだろうか。
これも谷崎文学を読んでなくても面白い。


鍵・瘋癲老人日記 (新潮文庫)鍵・瘋癲老人日記 (新潮文庫)
(1968/10/29)
谷崎 潤一郎

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瘋癲老人日記 [DVD]瘋癲老人日記 [DVD]
(2013/11/22)
若尾文子、山村聰 他

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映画化された作品もいい。

ちなみに「瘋癲老人日記」にインスパイアされた映画がイギリスで製作されている。それがこちら。


ヴィーナス 特別版 [DVD]ヴィーナス 特別版 [DVD]
(2008/05/08)
ピーター・オトゥール、レスリー・フィリップス 他

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映画パンフレット 「ヴィーナス」 監督 ロジャー・ミッシェル 出演 ピーター・オトゥール/レスリー・フィリップス/ヴァネッサ・レッドグレーヴ/リチャード・グリフィス/ジョディ・ウィッテカー映画パンフレット 「ヴィーナス」 監督 ロジャー・ミッシェル 出演 ピーター・オトゥール/レスリー・フィリップス/ヴァネッサ・レッドグレーヴ/リチャード・グリフィス/ジョディ・ウィッテカー
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映画版もいい作品だったなあ。イギリス版も名優ピーター・オトゥールがとてもよかった。


大きな写真、「アラビアのロレンス」ラクダのピーター・オトゥール大きな写真、「アラビアのロレンス」ラクダのピーター・オトゥール
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ムービー・コネクション

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「アラビアのロレンス」はよかった!

第一回はこの辺りで・・・。


















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  • Date : 2014-09-11 (Thu)
  • Category : 書籍
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