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「竹取物語」に思いを馳せて

かぐや姫は日本人を魅了してやまないキャラクターだ。

最近でもジブリのアニメーション映画「かぐや姫の物語」が話題になっている(残念ながら現時点では未見)。

今回は「竹取物語」とかぐや姫の真実に迫る傑作「かぐや姫の罪」を中心にかぐや姫にまつわる考察を・・・。


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「竹取物語」は日本最古の物語と言う点でも日本人の心を離さない。
そもそも、この「日本最古の物語」の由来は「源氏物語」に記載された「物語の出で来はじめの祖なる竹取の翁」という一文による。



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「源氏物語」は何度も漫画化されていて「あさきゆめみし」など傑作も多いが・・・どれもながい。時間のない現代人にとって最も手っ取り早く「源氏物語」を理解できるのがこちらの「まろ、ん?」。基本は一ストーリー1ページで記されている画期的作品。絶対にオススメ。これで何度も「源氏物語」を理解しようとして挫折していた人も大丈夫!)

一方で「月から迎えが来る」というこのシチュエーションからSFファンの間では「日本最古の物語はSFだ」とも話題になる。事実、市川昆監督の手による「竹取物語」はSF映画評論家でもあった氏が脚本に参加していたこともありSF色が非常に強い作品だった。


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(石上氏のSF評論の傑作はこちら。現代SF映画史を読み解く歴史的書物としても価値が高い?)


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(そういえば松本零次の「千年女王」も「新・竹取物語」と銘打っていた・・・あんまり「竹取物語」と関係なかった気がする・・・でも当時テレビで毎週楽しみに見ていた)

しかし、今回の「かぐや姫の罪」を読むと、実はこの作品はSFではない(当たり前だが)。

「竹取物語」は日本人の根底にある民族としての宗教観、そして死生観を映し出している作品であることがよくわかった。

これは日本人の持つ「あの世とこの世」の関係、そして「神」の観念を表現した作品なのだ。

この場合において月が「あの世(天上)」であり地上は「この世」になる。

以下、「かぐや姫の秘密」に基づき雑感をいろいろと記載する。


さて「かぐや姫の秘密」によれば上記の考え方を支持するものとして「月の都」では人が老いることがない、と説明されていることが挙げられる。さらに月からかぐや姫を迎えにきた使者が竹取の翁に「功徳を積んだお前の手助けにかぐや姫をわすかの間、下した」と説明している。

この「わずかの間」と「手助け」という点がポイントになる。「手助け」に関しては後述するが「わずかの間」という表現がここではひっかかかる。
翁は20年近くにわたってかぐや姫を育てているのだ。これが「わずかな間」で表現される。

20年が「わずかな時」と表現され「老いることがない」月の世界。これはこの世ではなく月が「あの世」であることを指している、と「かぐや姫の罪」は指摘する。

あの世である天上とこの世は異なる。
だから「竹取物語」の中でかぐや姫を迎えにきた月の都の使者は地上に踏み入れることなく、すこし宙に浮いているのだ。「足を踏み入れる」ということは「その土地の者になる」という意味があるのだそうだ。

この観点から見ると市川昆監督の「竹取物語」も違った一面が見えてくる。沢口靖子扮するかぐや姫が月の使者とともにUFO型の宇宙船に帰っていくとき、かぐや姫が宙に浮く姿がきちんと表現されている。映画「竹取物語」を再評価しなくてはいけないのはこのように細部で実は日本人独特のセンスを投入している点であろう。公開当時、「未知との遭遇」のモノマネのように酷評されたUFOも実は「蓮の花」をイメージしていたり月の使者も天女を模していたりする。


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(余談だが、「未知との遭遇」のファンならこのDVDは絶対におさえておこう!「未知との遭遇」の集大成のようなDVDだ)

さらに「その土地(つまりこの世)に住むものになる」ということは「足を踏み入れる」以外に「その土地のものを食する」ということも挙げられるそうだ。

月の都のものたとはかぐや姫に「きたないものを食べてきたから気分が悪いでしょう」と言って不死の薬を渡しており、これはかぐや姫が「この世」から「あの世(天上)」の住人に戻ることを象徴している。

この「その土地のものを食する」ことによってその世界の住民になる、という観点をこの本の作者の三橋氏は「イザナギとイザナミ」の物語を例に日本人の死生観を語っている。イザナギがイザナミを黄泉の国に迎えに行ったときにイザナミは「黄泉の国のものを食べたから帰ることはできない」と断っている。

このイザナミとイザナギの関連については難しい本が多数でている。私も多くの本を読んだがどうもすんなり理解できなかった。これをうまく理解するのにおすすめなのは星野之宣氏の「ヤマタイカ」だ。「ヤマタイカ」は卑弥呼と「イザナミ・イザナギ伝説」を結び付けており、その中でこの神話のプロットを分かりやすくビジュアルに説明している。日本の古代史を楽しむには好著と言える。


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(歴史ファンなら絶対読むべき「ヤマタイカ」。私はこれで日本史の魅力に取りつかれてしまった)

さて、かぐや姫がこの世の人間ではなくあの世の人間であることは、かぐや姫が月に帰る際に翁らへの未練を断ち切っている、だけでなく忘れてしまっていることにも挙げられている。これは日本人にとってあの世に行くときには「この世の穢れや罪」を忘れ去っている、という思想があるからなのだそうだ。

しかし、死者が「この世の穢れ、罪」を忘れたとして、その罪や穢れはどこに行くのか?三橋氏によるとその「罪、穢れ」を背負う存在が日本人にとっての「神」のイメージなのだそうだ。

そしてかぐや姫のイメージの中には「罪、穢れ」を背負う神(=女神)のイメージが隠されているのだそうだ。さきに述べたよう月の都のものによればかぐや姫は「功徳を積んだ翁」を「手助け」するために来た。つまり、翁の現世での罪を背負う女神のイメージが反映されているのだ。

もうひとつポイントになるのは「不死の薬」だろう。「竹取物語」には「永遠の命」がテーマのひとつになる。永遠の命となると日本には人魚の肉を食べて不老不死となった八尾比丘尼伝説がある。
小松左京の傑作短編に「比丘尼の死」があるが、この比丘尼と「竹取物語」を組み合わせた傑作に星野之宣氏の「月夢」がある。これは「ヤマタイカ」と共通する登場人物も出ていて傑作である。


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(「月夢」はこちらの短編集に収録。「月夢」以外も歴史をテーマにした傑作が収録されている。歴史好きなら読むべし!)


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(小松左京の「比丘尼の死」はこちらに収録。これもまたちょっとエロチックでありながら味わい深い作品だ)


ではかぐや姫の「罪」とは何なのか・・・。

これはネタバレになるのでここには記さない。

興味のある人は「かぐや姫の罪」を一読を!



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  • Date : 2014-05-03 (Sat)
  • Category : 書籍
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