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1979年公開「スター・トレック」を考えてみた

「スター・トレック」劇場版第一作の本作(TMP)はシリーズ中では評判があまりよくない。

でも・・・見返してみたら・・・。

今回は「スター・トレックTMP」の解読を試みた???


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このDVDは劇場版を収録。こちらのDVDがおススメ。




この作品、莫大な製作費に加えて現場の混乱もあった。

この作品の監督は「サウンド・オブ・ミュージック」のロバート・ワイズ。しかし、オリジナルTVシリーズ「スター・トレック(宇宙大作戦)」の原作者(プロデューサー)のジーン・ロッテンベリーが映画製作時に現場で監督としても振る舞い、現場ではダブルスタンダードが発生。


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映画の脚本があるにもかかわらず撮影現場にはロッテンベリーの「脚本変更指示」が毎朝届いたそうだ。そのため撮影は遅れ、現場は混乱し、製作費は膨れ上がった。ちなみに当時のギネスブックでは世界最高の製作費がかかった映画として「スター・トレック」と日本映画「復活の日」が挙げられている。


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草刈正雄、オリビア・ハッセー 他

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現場の混乱はライブシーンだけでなく特撮現場にもおよび、当初は特撮監督としてダグラス・トランブル(「未知との遭遇」「サイレント・ランニング」)が担当していたが、間に合わず「スター・ウォーズ」の仕事を終えたばかりのジョン・ダイクストラなども動員された。ミニチュアの製作も間に合わず、映画の中に登場する巨大なヴィジャーの宇宙船を撮影する際にはミニチュアの片方で撮影する一方でその反対側ではまだミニチュアを製作しているというありさまだった。


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完成も危ぶまれ、プレミア公開の当日まで編集作業がすすめられ劇場にはまだフィルムが乾ききらない状態で届けられたと言われている。後年、ロバート・ワイス監督も「あれほどギリギリだった仕事はなかった」と述懐している。

さて、そんな「スター・トレックTMP」を見直してみると不思議と「これはすごい作品なのでは・・・」という想いに捉われた。

筆者はこの作品を小学生のときに劇場で見た。
当時はストーリーを理解していたとは言い難い。ただ、すごい特撮に心ときめかせていただけた。
当時の映画評を読み返すとかなり厳しい。画面が暗い、冗長、ストーリー展開が遅いなどなど・・・。


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(公開当時、筆者はアメリカに住んでいた・・・そういえば新聞漫画も連載していた・・・。ありがたいことに今まで誰もまとめていなかったが新聞漫画版スタートレックの全集が最近発売された。英語が苦手でもファンだったら絶対に手元にほしい一冊だ!)

ただ、今になって見返すと、これは「宇宙大作戦」という娯楽TVシリーズをベースとしながた「2001年宇宙の旅」を目指した芸術作品なのではないか、という観点に気付いた。


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「2001年宇宙の旅」は進化した宇宙人(肉体と時間を超えた次元を超えた進化を遂げた生命体と考えられる)と人類のファーストコンタクトを描いた作品と考えられる。
これに関しては原作者のアーサー・C・クラークが描いた「失われた宇宙の旅2001」を読むと容易に理解できる。
「2001年宇宙の旅」はこのファースト・コンタクトを描く中で「人類とは?」「進化とは?」を問うた。


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では「スター・トレックTMP」を見てみよう。

この作品のオチは人類が打ち上げたボイジャー探査機が意思を持つにいたり、地球に戻ってくる、という点だ。このときに「機械」であるボイジャー探査機は人類という「生命体」と交わることを望む。そして実際にエンタープライズ号のクルーの一人と交わる(join )することでその目的を達するのだが、それを見たカーク船長やスポックたちは「人類の新たな進化のステージを目撃した」と捉える。


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新たに進化した生命体とのファーストコンタクトを描いたのが「2001年宇宙の旅」だとすれば不完全な知的存在である機械(ボイジャー6号)と人類の融合によって「新たな進化」の瞬間を目撃するのが「スター・トレックTMP」であったと考えることが出来る。

つまり「スター・トレックTMP」は「2001年宇宙の旅」に登場する「肉体と時間を超えて進化した生命体」が体験した「生命体の進化の瞬間」を描いた作品ではなかっただろうか。事実、「スター・トレックTMP」ではボイジャーと人類が融合した瞬間、その姿はまばゆい光で包まれて、宇宙に発散していく。つまり、肉体と時間を超えた進化だ。つまり映画に描かれたあの瞬間、地球は危機から救われているかのように思われるが、実は、地球に住む人類は新たな進化のステージから置いて行かれてしまったのだ。

こんなことを考えてしまったのだが・・・。

こう考えると「スター・トレックTMP」は随所に「2001年宇宙の旅」を彷彿させるシーンがある。
たとえばドライドック内のエンタープライズが延々と映し出されるシーン。公開当時は長すぎると非難されたが、これは「2001年宇宙の旅」で月への連絡艇の姿が「美しき青きドナウ」とともに延々と描かれるシーンを思い起こさせる。またボイジャーを内部に抱える巨大宇宙船の表面をエンタープライズが航行するシーンやスポックの宇宙遊泳などは「2001年宇宙の旅」の有名なスターゲートのシーンを思わせる。

エンタープライズ号のシーン

当時はそれくらい「2001年宇宙の旅」の影響が大きかったのだ。そして、「スター・ウォーズ」「未知との遭遇」といったSF娯楽作品のヒットとともにSFの「娯楽」と「芸術」の融合が試みられた時期だったのかもしれない。

日本でも小松左京によって日本にとっての「2001年宇宙の旅」のような作品を目指して「さよならジュピター」が製作された。酷評にさらされたが、実は深いテーマ性を有した作品だった。そして「さよならジュピター」の冒頭の長距離貨客宇宙船TOKYO-IIIのシーンを見ると、これまた「2001年宇宙の旅」の月連絡艇のシーンを思い起こされるシーンになっている。


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今、公開されるSF映画の数々、これとは違う、当時独特のSF映画の流れが当時はあったことがよくわかるのだ。


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  • Date : 2014-03-29 (Sat)
  • Category : 映画
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