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2012年上半期芥川賞・鹿島田真希「冥土めぐり」


2012年上半期芥川賞受賞作の「冥土めぐり」を遅ればせながら読み終わった。

純文学の新人賞とされる芥川賞。
知的な生活を目指すなら外すわけにはいかない。

とても面白かった。芥川賞は気になっているんだけど「純文学はちょっと苦手で・・・」という人には絶好の作品と言えるだろう。

推理小説を読み解くような面白みも感じられ、また主人公に感情移入しやすい。


冥土めぐり冥土めぐり
(2012/07/07)
鹿島田 真希

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本年度上半期受賞作。

純文学はときに難解であり、それゆえに敬遠してしまうことがある。
一方の直木賞の作品は読んでいてハラハラさせられるのに対して芥川賞作品は静かにゆったりと読むのにふさわしい。

もちろんエロティックな作品が入選することもあり、論争になることも多い。

石原慎太郎の「太陽の季節」がその元祖といえるかもしれない。

太陽の季節 (新潮文庫)太陽の季節 (新潮文庫)
(2010/12)
石原 慎太郎

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「エーゲ海に捧ぐ」もエロティシズムが前面に押し出されていて論争を呼んだ。


エーゲ海に捧ぐ (中公文庫)エーゲ海に捧ぐ (中公文庫)
(1995/05)
池田 満寿夫

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個人的には「赤頭巾ちゃん気をつけて」が好きだ。


赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)
(2012/02/27)
庄司 薫

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「赤頭巾ちゃん気を付けて」は森谷司郎監督によって映画化もされている。

赤頭巾ちゃん気をつけて [DVD]赤頭巾ちゃん気をつけて [DVD]
(2006/05/26)
岡田裕介、森和代 他

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後に「日本沈没」など大作を手掛ける森谷監督の本来持つタッチを知る上で貴重な作品だ。日本映画史を語る上では必見の作品なので、見ていない人は是非、お試しいただきたい。

さて、今回の鹿島田真希「冥土めぐり」について・・・。


冥土めぐり冥土めぐり
(2012/07/07)
鹿島田 真希

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「冥土めぐり」は主人公の奈津子が脳に障害を持つ夫とともに旅に出る物語だ。奈津子にとってその旅は自分と家族の忌まわしい過去を再訪する旅でもある。
奈津子は自己中心的かつ被害者意識の強い母、と虚栄心が強い弟に翻弄されるように人生を送ってきた。そこにまた非常に受身的な夫を抱えている。
彼女はそれらに疲れたように「過去」と「母との関係」をめぐる旅に出る。

一部の読者から「暗い」と評されているようだが、私は明るい物語と感じた。
とても軽妙で読みやすいのも魅力のひとつだ。

当ブログの読者のみなさんには少しオリジナルな「冥土めぐり」の読み方を提案したい。

この作品の主人公、奈津子の夫の姿はドストエフスキーの「白痴」の主人公、ムイシュキンを思わせる。その対比を楽しみながら読むのも面白い。


白痴 (上巻) (新潮文庫)白痴 (上巻) (新潮文庫)
(2004/04)
ドストエフスキー

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しかし、ドストエフスキーの長編を読むのは忙しい現代人にはなかなか読みずらい。

そこで黒沢明によって映画化された作品を鑑賞することを勧めたい。


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(2008/06/27)
原節子、森雅之 他

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本当は4時間以上あった映画を松竹が公開時に無理やりカットして短縮したことで有名。そのため作品の評価は必ずしも高くないが、見てみると結構面白い。

さて「冥土めぐり」の魅力のひとつは、その世界観がデイヴィッド・リンチ監督の作品につながる点ではないか、と思う。
具体的には性格が破綻した母親と女性主人公(さらにぶっ飛んでいる性格のその恋人)の関係性を描いた「ワイルド・アット・ハート」と「冥土めぐり」はテーマが共通している。


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ニコラス・ケイジ、ローラ・ダーン 他

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同じテーマを激しいロック音楽として映画化したのが「ワイルド・アット・ハート」としたら、静かな弦楽曲として表現したのが「冥土めぐり」だろう。

また、旅の中で家族の問題点が浮き彫りにされていく、という手法はリンチによる超短命だったテレビシリーズ「ホテルルーム」の第三話と共通している。


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(1994/05/20)
ハリー・ディーン・スタントン

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また、「冥土めぐり」とリンチ作品にはもうひとつの共通点がある。
それは芸術作品にとっては外すことのできない「メタファー的表現」が比較的わかりやすく配置されていて、それらの謎を解読する、という「作品の解読」の楽しみが加わることだ。

リンチの作品は難解に見えるが、よーく冷静に考えてみるとその作品の訴えているテーマが比較的容易に見えてくる。傑作「マルホランド・ドライブ」ではその解読がひとつの売りになっていたほどだ。


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ナオミ・ワッツ、ローラー・エレナ・ハリング 他

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ちなみに「マルホランド・ドライブ」の解読のカギは「サンセット大通り」だ。見ていない人は見ればすぐにわかる!」


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(2010/11/26)
グロリア・スワンソン

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「冥土めぐり」も比較的簡単に読み解けるメタファーがいくつか作品中に散りばめられている。ポケットティッシュに込めた主人公の心情は一読ですぐにわかる。しかし、これらの簡単なメタファーは意図的に配置されたもので、簡単に読み解けない深い仕掛けがしてあるのかもしれない。
そんなことを感じさせる作品だ。

物語を読み解く、というのは推理小説ではなく「作品のテーマ」や「メタファー」を読み解くことにもある。それこそが読書の楽しみに醍醐味でもある。
「冥土めぐり」はそんな読書本来の楽しみを教えてくれる作品だ。

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  • Date : 2012-08-23 (Thu)
  • Category : 書籍
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