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頭に来た本

本を読んでいるとたまに「憎むべき無知」に基づいて書かれた本に出会うことがある。

そんな一冊に出会ったので紹介したい。

このブログでは基本的には「よかった本」しか紹介しないことにしているのだが・・・まあ、一回くらいの例外を許してほしい。

それがこちらジョン・ファーマンの「これならわかるアートの歴史」だ。


これならわかるアートの歴史 普及版: 洞窟壁画から現代美術までこれならわかるアートの歴史 普及版: 洞窟壁画から現代美術まで
(2011/07/13)
ジョン ファーマン

商品詳細を見る
こちらの本、西洋美術史を単純に描いている点において、それは評価できる。

問題はこの本の作者、ジョン・ファーマンがどうしようもない人種差別主義者だということだ。

とにかく東洋、特に日本人をバカにする。
「日本人はデカい絵にしか興味がない」と日本人差別を連発する。
まあ、原著はバブル期に書かれたという事情もあるのだろうが、それにしても見苦しいな。

東洋に関する見下し感もすごい。
「アートの歴史」といいながら東洋美術にはほとんど触れず、「東洋の美術は変化がとぼしい」なんて評価を下す。つまり、東洋美術は西洋美術の前にはとるに足らないということだろうか。

イギリスに長く住んでいた経験があるが・・・こういった奴は必ずいた。
イギリスから一歩も出ず、世界を見下し、それでいてインテリぶる奴(もちろん知的でいい奴もいっぱいいたが・・・)。



この作者はまさにそれだ。

西洋の美術だけが評価するに値し、しかも英国人の自分は(鑑賞者の一人にすぎないにもかかわらず)それらを高い目線から評価することができている、と信じている。

西洋美術史を語るのならフェルメールらに日本の様式が与えた影響、浮世絵がゴッホらに与えた影響、など決して無視できるはずもないのだが・・・。ファーマンにとってそれは「なかったこと」なのだろう。


訳者はこの本の英語版の持つ口語体の翻訳に苦労されたことがしのばれ、ご苦労様と言いたいが、ファーマンの言いたい放題を「イギリスユーモア」で片づけていはいけない気がする。

英国にいる間に多くの人に出会った。
本当の「イギリスのユーモア」を言う人というのは階級社会に対する非難をしているのであって、他国の文化や人種を見下すものではなかった。
時に中途半端なインテリ層(自分は知的階級と勘違いしている類の人や学生)にファーマンのようなユーモアを履き違えた人間が多かったように思う。
本物の「イギリスのユーモア」を言える知的なイギリス人は微妙な線で風刺をしながら、決して人を不愉快にさせたりはしない。

ちなみにファーマンという人材の書籍に目を付けた出版社にも少々疑問を持たざるをえない。

イギリスには「Horrible Histories(酷い歴史)」シリーズという人気シリーズがある。
イラストを巧みに織り込み、それこそ「イギリス風ブラックユーモア」で歴史やときにイギリス史も笑ってしまおう、というシリーズだ。

このシリーズはとても面白い。


HORRIBLE HISTORIES ENGLAND―英語で楽しむ秘録・イングランド史外伝HORRIBLE HISTORIES ENGLAND―英語で楽しむ秘録・イングランド史外伝
(2008/02)
石原 孝裁、 他

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複雑な英国史を勉強するにはこれが一番!面白くてイラストもいっぱいだ。英語の勉強にも最適!!

ファーマンはこの「Horrible Histories」の二匹目のどじょうを狙って「Bloody History(血だらけの歴史)」シリーズという二流シリーズを書いた作家だ。


The Very Bloody History of LondonThe Very Bloody History of London
(1999/05/18)
John Farman

商品詳細を見る

こちらがファーマンの「Bloody History」。
下の本家「Horrible Histories」と見比べてほしい。
いかに模倣しているかわかるだろう。


London (Horrible Histories Gruesome Guides)London (Horrible Histories Gruesome Guides)
(2010/03/01)
Terry Deary

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この「Horrible History」シリーズは基本は子供向けだ(もちろん大人も楽しめる)。
その偽物シリースの「Bloody History」はもう・・・いうまでもないだろう。

なのに・・・上記の「Bloody History」は「大人向けの本」としてちくま文庫から売り出されている。


とびきり愉快なイギリス史 (ちくま文庫)とびきり愉快なイギリス史 (ちくま文庫)
(1997/04)
ジョン ファーマン

商品詳細を見る


日本語訳の表紙を見ると面白そうに見える。実際私も日本語版を読んだ。でもやめようよ・・・こういう三流出版的な作品を一流作品みたいに日本で翻訳して発売するの・・・。
だって、本家の「Horrible Histories」のほうが絶対に面白いし・・・。というか「Horrible Histories」読んだあとで「とびきり愉快なイギリス史」を読んでも全然面白くないんだよ・・・本家の「Horrible Histories」を真似しているところばっかりが目につくし・・・。

だいたい、本国イギリスでも「Bloody History」シリーズはちくま文庫を読むような知的な人が読む代物じゃないんだよ・・・いや、本当。
「Bloody History」ってのは、「Horrible Histories」シリーズと間違って買うか、場末の本屋でほかにないから買うとか、観光名所のおみやげコーナーで、何もしらない外国の観光客に売りつける、そういうたぐいの本なんだってば。

重ねて言うが、三流作家の三流作品を「イギリスのユーモアで書かれた知的な本」、みたいに日本で出版するのはやめましょうよ。実際、内容も「Horrible Histories」に比べて本当につまらないんだし。現地イギリスでは知的な大人が読むような本じゃないんだって。もともと、おっちょこちょいが間違って買うのを期待して出したような本なんだって!

とにかく、偽物(コピー商品)に注意だ!!
オリジナルの「Horrible Histories」を強く勧めるぞ!


HORRIBLE HISTORIES ENGLAND―英語で楽しむ秘録・イングランド史外伝HORRIBLE HISTORIES ENGLAND―英語で楽しむ秘録・イングランド史外伝
(2008/02)
石原 孝裁、 他

商品詳細を見る


「Horrible Histories」は特定の一人の作者ではなく、編集部の集合体が作っているのでファーマンのような人種差別的な人を不快にさせるユーモアはないので大丈夫。
日本の歴史に関する記述もユーモアはあっても差別的表現は一切ない。
イギリスの知性はまだ健在で大丈夫だと安心できる一冊だ。


ちなみに西洋美術史を知りたいならこちらの本がおすすめ。


巨匠に教わる絵画の見かた巨匠に教わる絵画の見かた
(1996/10)
視覚デザイン研究所

商品詳細を見る


これほどわかりやすい西洋美術史の本はない。内容もビジュアル面を意識していて非常に理解しやすい。世界史の受験生にもおすすめだ。


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  • Date : 2012-08-06 (Mon)
  • Category : 書籍
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