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「野菊の墓」と「野菊の如き君なりき」

「野菊の墓」は伊藤左千夫が1906年に発表した小説だが、現在にいたるまで人気の高い文学作品だ。

年上の女性と主人公の15歳の少年の淡い恋と、二人を引き裂く現実の厳しさを描いた悲恋物語だ。

何度も映画化されている。個人的には松田聖子が主役を演じて賛否両論を呼んだ澤井信一郎監督の「野菊の墓」がリアルタイムで見た映画版だが、最高傑作はやはりなんといっても木下恵介監督の「野菊の如き君なりき」だろう。


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(1991/06/20)
伊藤 左千夫

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澤井監督版、松田聖子主演の「野菊の墓」は文芸作品の映画化と考えると、しっくりこないものもあるが、もしアイドル映画と考えると「これもアリかな?」と思える、ある意味時代を象徴する作品だ。
当時はアイドル映画全盛の頃だった。テレビでも毎週月曜日になると「月曜ドラマランド」と称して、女性アイドル歌手たちの「学芸会ドラマ」が毎週放送されて人気を博していた。


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(2005/07/21)
松田聖子、桑原正 他

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余談になるが、「月曜ドラマランド」枠ではときたま、とんでもない名作がドラマ化されていた。たしか藤子F不二雄の傑作連作SF漫画シリース「夢カメラ」も月曜ドラマランド枠でドラマ化されていた記憶がある。原作には全くない物語になっていたが、小泉今日子や中山美穂主演の結構おっかないオリジナルドラマがあったような気が・・・(記憶違いの可能性はある)。


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(1982/08/15)
藤子 不二雄F

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(原作は現代に置いてきぼりになった未来のカメラ販売員が引き起こす騒動物語。不思議な味のある傑作だ。必読)

80年代というのはアイドル映画であれば、かなり斬新な映画も作れた時代だったのかもしれない。日本ではなかなか製作されなかったSF映画もアイドルが出ていればなんとか製作される傾向があった気がする。


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(今、思うと「HEROES」みたいな物語だった菊池桃子主演の「テラ戦士・BOY」)


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(右側の「ナインティーン」は少年隊主演のSF映画・・・のようなものだった。物語は完全に崩壊していたが、小道具のガジェットが楽しかった)


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Hiroko Yakushimaru、Hiroyuki Sanada 他

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(薬師丸ひろ子主演の「里見八犬伝」もアイドル映画によるファンタジーだったといえるかも。写真はアメリカで販売されている英語吹き替え版。題名は「Legend of Eight Samurai」。アメリカでは「七人の侍」のパロディ作品と紹介されている。私は個人的には「宇宙からのメッセージ」のリメイクと考えるとしっくりくるのでは?と思っている)


それはさておき、「野菊の墓」だ。

文芸作品の映画化としての最高の「野菊の墓」はなんといっても木下恵介監督の「野菊の如き君なりき」だ。


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田中晋二、有田紀子 他

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笠智衆演じる年老いた政夫少年が過去を回想する形で物語は進行するが、過去のシーンは画面の角を取った丸い映像で表現され、最初は戸惑うのだが、とても詩的な印象を受ける作品だ。
とても温かい作品として前半が描かれている。二人が夕日をバックに立ちすくんでいるシーンなどは、そのシーンだけでなにか涙が出てくる気がする美しい郷愁を誘う作品だ。

有名な「民さんは野菊の花みたいだ・・・ぼく野菊が大好きさ」のシーンもとても美しく純粋に映像化されている。民子が政夫のことを「りんどうの花みたい」というシーンも心にしみる。
有名なことだが、知らない人もいるかもしれないので、一応書いておくと「りんどうの花」の花言葉は「悲しむ君を愛す」であり、この物語の計算された美しさと悲劇が際立つ構成になっている。

ちょっと「りんどうの花」で思い出したのだが、「男はつらいよ」の中で寅さんが旅先で「りんどうの花が一面に咲き乱れる中にぽつんとある家で家族が食事をしているのを見て、涙がこぼれた」と話すプロットがあった。実はこれは寅さんの義理の弟、博の父(志村喬)が寅さんに言ったことを受け売りした、というオチがつくのだが、もしかしたら松竹の監督である山田洋次監督が木下恵介監督に捧げたオマージュだったのだろうか(ファンの間では当たり前のことなのかもしれませんが・・・)。

木下恵介監督には数多くの傑作があるが、私が個人的に大好きなのは原節子主演の「お嬢さん乾杯!」。原節子がとても初々しくていいなああ。


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(2006/06/24)
佐野周二、原節子 他

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あと、あまり一般には評価されていないみたいだが、「新・喜びも悲しみも幾年月」。オリジナルよりこのリメイクともいえる新作のほうが好きなのだ。一度お試しを。


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  • Date : 2011-10-03 (Mon)
  • Category : 書籍
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Comment

  1. 植野義明

    植野義明

    2011-10-06 (Thu) 18:11

    23日(日)に矢切、柴又界隈の探索に出かけます。途中、野菊の墓文学碑も見学するので、よい予習になりました。リンドウの花が寅さん映画にも出てくるというご指摘は面白かったです。矢切の渡しを渡ったあと、柴又の寅さん記念館にも行く予定です。

    植野義明
  2. MARIBU

    MARIBU

    2011-10-07 (Fri) 12:12

    MARIBUブログ担当です。
    コメントをいただきありがとうございます。
    当社のブログを植野様の柴又探索の参考にしていただき光栄です。

    よいご探索となられることをお祈り申し上げております。

    当社の電子書籍もお暇なときに是非、一度お試しいただけましたら、これ以上の幸せはございません。サイトにてお待ちいたしております。
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    これからも宜しくお願い申し上げます。

    電子書籍販売MARIBU ブログ担当・斎藤 拝

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