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ケン・フォレットの「鴉よ闇へ翔べ」はキワどくも重厚な戦争小説だ。

ケン・フォレットの最新作「巨人たちの落日」については以前このブログで紹介した。

その中でフォレットは作風を変えようとしているのではないか、と考察した。
今回はちょっと古い小説だが、フォレットの本来の戦争スパイ小説の醍醐味が味わえる「鴉よ闇へ翔べ」を紹介したい。



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(2006/05/11)
ケン・フォレット

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この作品は、ケン・フォレットの代表作にして傑作でもある「針の目」と同じくノルマンディー侵攻作戦の裏側をフィクションとして描いたスパイ小説だ。

連合国にとってノルマンディー上陸作戦成功のためにはドイツ最強のロンメルを欺かなければならない。
上陸がたとえ成功したとしても、ロンメルの指示によりドイツの機動部隊が上陸地点に来てしまっては作戦が失敗する可能性がある。ロンメルの部隊が連合国軍の上陸地点に速やかに移動できないようにするためには、ドイツ軍の電話交換施設を破壊する必要がある。連合国軍はそのために女性だけで編成された特殊部隊を送り込むことにしたが、上陸決行の日(Dデー)が迫る中、急ごしらえで軍隊経験のない女性たちをエージェントに仕立て上げるが・・・という物語。

第二次世界大戦中に女性のエージェントが多数ドイツ(ナイス)支配下の領内に送り込まれていたことは歴史的事実だ。場合によっては大変悲惨な経験をしたエージェントもいたそうだ。
つい数ヶ月前に、そんな女性エージェントの一人が、イギリスの片田舎でひっそりとお亡くなりになったのを新聞で読んだ覚えがある。

しかし、この作品はそういった悲惨な戦争の側面は最低限に抑えられている。
そういった意味ではエンターテイメント小説でもある。
しかも、急ごしらえの女性エージェントたちの経歴がすごい。殺人の前科もちから良家の令嬢、はてはゲイまでいる。
これらのメンバーはそれぞれの持つ特技ゆえに特別に編成されているのだが、それにしても極端な編成だ。

一歩間違うとコメディになってしまう面子だ。以前、「プリティ・リーグ」という映画があったが、非常に似ている。


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(「プリティ・リーグ」も結局は感動作として仕上がっているので、「鴉よ闇へ翔べ」と共通している点はある。)

しかし、それはさすがフォレットだけあって非常にシリアスに仕上げられている。

このシリアスさに一役買っているのは、フォレットの「敵を単純に描かない」という視点にあるように思う。
アメリカの作家にありがちなのが、ナチスやドイツ兵を単純に「悪の権化」として描いてしまうことだ。そういった小説だとヒトラーやドイツ人は単に「サディスト」だから多くの人を苦しめたくて、単純にヨーロッパ各所に侵出したかのように描かれてしまう。この場合、物語は勧善懲悪に徹し、わかりやすいが、薄っぺらい物語になってしまう。

個人的にはクリント・イーストウッド主演の「荒鷲の要塞」のような作品がその代表だと思う。

「鴉よ闇へ翔べ」の場合、主人公の女性エージェント、フリックとナチスのエージェント、ディーター・フランクの知恵比べが物語のメインに据えられているのだ。イギリス側とナチス側のキレ者の二人が直接対峙することなく、お互いの存在を意識しながら裏をかこうと知恵を絞りあう。これが面白い。
ナチスのフランクは非常に厳しい拷問を連合軍のエージェントに課すが、フランクが良心と葛藤しならがら、それでも「必要な情報を聞き出すため」と自分を納得させている姿がきちんと描かれている。

もし、フランクが単純なサディストで、拷問が大好きな悪人として描かれていたら「鴉よ闇へ翔べ」はこれほど面白くなかっただろう。

「針の目」とならんでオススメのケン・フォレット作品だ。


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(映画版は「スター・ウォーズ/ジェダイの復讐」のリチャード・マーカント監督作品だ)

さてこの作品、戦争ものにしては原文の英語表現がストレートで読みやすい。
戦争スパイ小説が好きな方はこれも英語の勉強には適しているだろう。


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オススメはオーディオブック版。それぞれの登場人物が朗読者によってうまく演じ分けられているので混乱することなく聞くことができる。


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  • Date : 2011-07-07 (Thu)
  • Category : 書籍
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